平成25年度 松花堂昭乗研究所 研究報告会を開催しました | ~松花堂昭乗研究所~

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こんにちは

松花堂昭乗研究所です


3月16日(日)午後1時より、研究報告会を開催しました。


松花堂昭乗研究所では、年に一度、在籍する研究生のみなさんの研究を発表する場として、研究報告会(研究発表会)を開催しております。

今年は、3人の研究生、当館学芸員、そして松花堂昭乗研究者である山口恭子先生、と5人の報告者による盛り沢山の内容となりました。


ここでは、その様子を簡単ではありますが、ご報告させて頂きます。


最初の報告は、研究生の奥山邦彦氏による「七月十日付宗甫(小堀遠州)宛書状についての検討」でした。奥山氏の報告内容は、書状を解読し、その内容の分析から、差出人を松花堂昭乗と確認するものでした。



本報告は、根気よく、丁寧に書状を解読をされた成果といえるものです。研究には一見地味と思われる作業の積み重ねが不可欠です。一緒に勉強させて頂き、気持の引き締まる思いがいたしました。


2番目の報告は、研究生の土井三郎氏による「松花堂昭乗と俳諧の世界」でした。

土井氏が準備された当日の配布資料はA3用紙7枚分にも及ぶもので、とても丁寧に資料をあげ、内容を構成されていました。昭乗が八幡の地名を詠み込み作ったと伝わる一連の俳諧発句を取り上げ、それらの発句が、とてもよく地名に関している点を丁寧に掘り下げられたものでした。



昭乗の和歌や俳諧については、これまで、あまり掘り下げた研究がなされていません。今後、俳諧という分野を切り口として、更なる研究の進展が待たれます。


3人目の報告は、研究生の野村幸三郎氏による「昭乗さんを偲ぶ茶会を開いて~昭乗さんと遠州さん~」でした。野村氏の報告は、先の12月に行いましたお茶会に関するものでした。亭主をつとめられた野村氏の両先人に対する敬慕を改めて感じました。





パワーポイントを使って、お茶会の当日の写真も交えながら、ご報告頂きました。


4人目は、松花堂美術館学芸員の川畑薫より、「松花堂美術館本 松花堂昭乗筆『詠歌之大概』について」と題してご報告させて頂きました。

川畑は研究所発足以来、研究生の皆さんに「研究報告しましょう!」と声をかけながらも、「自分自身は研究していないのでは?」という悩みを抱えながら、歩んでおります。




今日の報告は、その概要紹介となりました。

今後、もっと詳細な研究を進めさせて頂きませんとね。 がんばれ!


そして最後の報告は、山口恭子氏による「瀧本流『和漢朗詠集』について」でした。

江戸時代にあって、『和漢朗詠集』は、文学作品として、そして書のお手本として多面的な享受がなされたことを、松花堂昭乗の書を慕う「瀧本流」(「松花堂流」とも)を軸としてご報告頂きました。書の手本としては、肉筆だけでなく版本としても享受されました。肉筆の手本に対する価値観と、印刷された手本に対するそれは、複雑にからみあっていたという大変興味深い内容のご報告でした。




山口先生、ありがとうございました。

そして報告者のみなさま、おつかれさまでした。


ご参加頂きましたみなさまとともに、大変貴重な時間を過ごすことができました。

ありがとうございました。


これにて平成25年度の研究所行事はすべて終了いたしました。

来年度も引き続き、松花堂昭乗研究所の活動にご理解、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。