彼は貧乏なみかん売り | 勅使川原麗子のブログ

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わたしの少女時代

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18ぐらいの時に付き合ってた彼氏は、かなり貧乏でした。

付き合い出した頃は、普通の会社員だったはずですが
すぐに遺跡発掘のバイトに転職してました。
その後、無職・とび職・無職・柿売りと点々として、最終的に行き着いたのがみかん売りでした。

スーパーの側にトラックを止めて、みかんを必死に売っていました。
ただ、本人が怪しいのと蚊の泣くような声のおかげで、全く売れずじまいでした。

電気が止まったサムイ部屋で、毛布にくるまりながら
売れ残りのみかんで飢えをしのいでいました。

そんな状態で将来の夢を延々語っていたのを覚えています。

でもこういう人に限ってプライドが高いので、私からは何も受け取らず、
どんどんやつれていきました。

ある日、家にたずねていくと、異様なニオイが充満していました。
恐る恐る部屋を覗くと、カセットコンロで大ナベがグツグツ言ってました。
どうやらガスも止まったようです。

彼は嬉しそうにかき混ぜてます。

あきらかに雑草らしきものが浮いてるし、みかんの皮が浮いています。
そこに袋入りラーメンを投入し、雑草ラーメン?のできあがりのようです。
芳香剤のようなニオイを放っていました。

食べたくないと言うと、ムリヤリ私のクチにぐいぐい押し込んできました。
あまりのマズさに吐き出すと、彼は発狂してしまいました。

私の靴やらカバンやらを窓から捨てて、
『出てけ!』といわれました。
私は『ヤダ!食べるから!』と言って泣きながら吐き出した雑草ラーメンを拾い食べました。

その時は彼のことが好きで我慢しましたが、
数日後、これ以上一緒にいると2人ともおかしくなると思い、別れを決意しました。

金銭的にまずしくても、心が豊かであれば…ってどっかで聞いた言葉。
でも実際そうだと思います。ただ、心がスサむ可能性はかなり高いようです。