10歳 テレポーテーション | 勅使川原麗子のブログ

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わたしの少女時代

自分は魔法使いだと本気で信じていました。


風は私が吹かせたいほうへ吹くし、友達が怪我したのも、
全てが私の力だと思っていました。


なぜ空を飛べないのか、なぜテレポーテーションができないのか不思議でした。

そして遂に、幼い私は気付きました。
エスパー魔美は、ビーズを発射する魔法の道具を使っていたから

テレポーテーションが出来たってことに。


でも私は、その魔法の道具を持っていません。

考えたあげく、弟の部屋からオモチャのピストルを見つけ、銃口をこめかみに当て、
この引き金を引いたら私は何処へ行っちゃうのだろうとワクワクしながら目を瞑り、

おもいきりその引き金を引きました。


案外テレポーテーションってあっけないなと思いながら、ゆっくりと目を開けました。


不思議なことに私はまだ弟の部屋にいるように思います。
もの凄い酷似した違う人の部屋なのかと一瞬考えましたが、

目の前に弟が脱ぎ捨てたウンチつきのパンツが見えた瞬間、その考えは消え去りました。


打ち方がいけなかったのかなと思い、少し離したりして半べそ書きながら顔中に乱射しました。

血が出たのと、あまりの痛さに我慢できず、さすがにその日はあきらめました。

まだ、その時期がきていないんだと思い込んで。