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今回は、いよいよ開幕しました第83期順位戦の中から
先週の木曜日(20日)に行われましたB級1組の1回戦
注目の「広瀬章人九段-斎藤慎太郎八段」の一戦の模様を
ご紹介させていただきます。
12手目△6二銀。
上図での持ち駒
▲広瀬九段: なし
△斎藤八段: なし
タイトル獲得の実績を誇る押しも押されぬ実力者ですが
前期、すっかり板についていたA級からまさかの陥落となり
今期に捲土重来を期す両者がいきなり「鬼の棲みか」と恐れられる
B級1組の開幕戦で激突、今後を占う正念場となりました。。
気になる両者の対戦成績は
ここまで6戦して、斎藤八段が4勝2敗とリード。
本局の先手は斉藤八段、初手から互いに飛車先を突き合い
戦型は現代将棋の中軸を為す「相掛かり」となりました。。
互いに角頭を金で受けた後
先手は定跡通りに飛車の横へ銀を立てますが
斎藤八段は上図で銀を6筋に構える趣向を披露します。。
32手目△2六歩。
上図での持ち駒
▲広瀬九段: 歩2
△斎藤八段: 歩3
広瀬九段は今期開幕から無傷の4連勝中。
斎藤八段は5戦して4勝1敗とともに好調をキープ。。
だからこそ勝ってさらに勢いを加速させたい本局
斎藤八段は後手から積極果敢に模様を動かして行き
気合も十分に攻防の主導権を掴みに行きます。。
46手目△4七桂成。
上図での持ち駒
▲広瀬九段: 飛、香、歩2
△斎藤八段: 銀、桂、歩3
本局に懸ける意気込みそのままに
最初の仕掛けから一貫して攻撃的に指し進む
斎藤八段は大駒を起点にダイナミックに踏み込み
力強く、終盤戦の幕を開きます。。
が、しかし。。
79手目▲8三角。
上図での持ち駒
▲広瀬九段: 飛、金、銀、桂2、歩2
△斎藤八段: 金、香2、歩3
優駿・広瀬九段の懐深く。。
後手の激しい攻めを的確に凌ぎながらことごとく芽を摘むと
機をみて厳しく反撃に転じ、気がつけば勝負どころでグイグイと
先手が形勢の針を引き寄せます。。
【 投了図・91手目▲8八玉 】
投了図での持ち駒
▲広瀬九段: 金2、桂2、歩
△斎藤八段: 香、歩2
斎藤八段は最後まで攻め合いの勝負を挑みますが
攻守に盤石の広瀬九段は付け入る隙を与えず、上図の局面で
斎藤八段は無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後10時47分。
大事な開幕戦で強さ漲る将棋を飾った
広瀬九段はA級復帰へ好発進を決めました。。