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いよいよ今週より開幕いたしました第83期順位戦のうち
本日は、東京・将棋会館にて最高峰・A級のオープニングカード
注目の「佐藤天彦九段-永瀬拓矢九段」が行わています。。
佐藤九段の前期成績は
37戦21勝16敗(.568)。順位戦はA級で4勝5敗。
今期はここまで7戦して5勝2敗とまずまずの出だしに。。
かつては名人戦3連覇の偉業を成し遂げた関東の貴公子は
戦型に振り飛車を取り入れるなど試行錯誤を繰り返しながら
虎視眈々と完全復活、そして名人奪還を狙います。。
対します、永瀬九段の前期成績は
55戦34勝21敗(.618)。順位戦はA級で6勝3敗。
今期はここまで3戦して2勝1敗。
将棋界の「最後の砦」として藤井聡太名人の挑戦を受けた
第71期王座戦では事前研究で上回るも勝負所でミスを連発。。
らしくない戦いぶりで神童に八冠達成を許し、自身は無冠転落と
屈辱にまみれた勝負の鬼は、リベンジへ今期へ気合が入ります。。
気になる両者の対戦成績は
ここまで13戦して、永瀬九段が8勝5敗とリードします。。
本局の先手は永瀬九段。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。
対します、佐藤九段は2手目に角道を開く△3四歩と返し
戦型選択に含みを持たせて対局をスタート。。
続く3手目に、永瀬九段が角道を開いたのをみて
佐藤九段はすかさず飛車に手をかけ、4筋へと振り
振り飛車の王道・「四間飛車」を投入、次に永瀬九段が
居玉を解除すると(5手目▲6八玉)。。
6手目△8八角成。
上図での持ち駒
▲永瀬九段: なし
△佐藤九段: 角
佐藤九段は決めていた作戦と、よどみなく
角交換を敢行、戦型は角交換型振り飛車との
対抗形となりました。。
35手目▲7八金。
上図での持ち駒
▲永瀬九段: 角
△佐藤九段: 角
角交換成立後
両者は呼吸を合わせながら自陣の駒組みを進め
永瀬九段は上図で「銀冠」を完成させました。。
一方、この戦型の常とう手段である
飛車を2筋に振り直した佐藤九段は二枚の銀を高く並べ
現代調の「雁木」を採用、さらに二枚の金が下支えする
格調高い模様を自陣に描き出します。。
49手目▲5五歩。
上図での持ち駒
▲永瀬九段: 角
△佐藤九段: 角
じっくりとした駒組みから
先に仕掛けたのは、先手の永瀬九段でした。。
上図でガツンと中央5筋の歩を突き合わせます。。
この手に、佐藤九段が30分の考慮で△同歩と応じると
永瀬九段が3分の少考で▲同銀と応じた51手目の局面で
夜戦に備えて、夕食休憩突入となりました。。
互いに駒組みは十分
夕食休憩明けからのねじり合いに期待が高まります。。