将棋世界2024年6月号（付録セット） [雑誌]
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一瞬の隙、逃さず。。第７４回ＮＨＫ杯/１回戦「屋敷九段、短手数の快勝」
【 投了図・６９手目▲８四角 】
投了図での持ち駒
▲屋敷九段： 銀、桂
△千田八段： 飛、角、銀、歩４
名人戦/第５局が北海道で開幕を迎えた日曜日（２６日）。
日曜午前のお楽しみ、第７４回ＮＨＫ杯将棋トーナメントでは
「屋敷伸之九段－千田翔太八段」の好カードが１回戦で実現。。
結果は、上図６８手までの短手数で
先手・屋敷九段が勝利を飾りました。。
２５手目▲３五歩。
上図での持ち駒
▲屋敷九段： なし
△千田八段： なし
戦型は後手の注文で相居飛車の力戦に。。
流れの中で飛車を３筋に合わせた屋敷九段が
上図で歩を突き出し、仕掛けを開始します。。
３０手目△７七角成。
上図での持ち駒
▲屋敷九段： 歩
△千田八段： 角、歩
歩交換からスルスルと
銀を飛車先から繰り上げる屋敷九段に対して
千田八段は上図で標的にされた角を交換で捌き
手番を握っていざ、開戦を告げました。。
５０手目△２八角。
上図での持ち駒
▲屋敷九段： 銀、歩３
△千田八段： 銀、歩
そのまま一気に終盤戦へと突入しますが
うまく切り返したように思えた千田八段の上図の一手が
ここまでの均衡を崩す疑問でしたでしょうか。。
香取りと急所である７筋の銀の頭上をケアする
攻防の角に違いはありませんが。。
５１手目▲４三銀。
上図での持ち駒
▲屋敷九段： 歩３
△千田八段： 銀、歩
手番を握った屋敷九段は、すかさず
もう一つの急所である４筋の飛車先へガツンと
手持ちの銀を打ち込み、踏み込みます。。
５７手目▲８四角。
上図での持ち駒
▲屋敷九段： 歩
△千田八段： 銀、歩２
要の金をやすやすと渡すことのできない
千田八段がそっぽ覚悟で２筋に金を逃したのをみて
屋敷九段はここが勝負と畳み掛け、あっという間に
敵将を上空から包囲し、形勢の針を引き寄せます。。
【 投了図・６９手目▲８四角 】
投了図での持ち駒
▲屋敷九段： 銀、桂
△千田八段： 飛、角、銀、歩４
大差のついた終盤戦に
千田七段は形作りもままならず、最後は屋敷九段が
格好よく王手・飛車の大技を決めた、上図の局面をみて
万策尽き果て、無念の投了を告げました。。
一瞬の隙を逃さず
見事な快勝を飾った屋敷九段が気分よく
２回戦進出を決めました。。
