将棋世界2024年6月号(付録セット) [雑誌]
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【 投了図・113手目▲4四金 】
投了図での持ち駒
▲山崎八段: 飛、金
△佐藤九段: 飛、金、桂2、香、歩4
「冬の本場所」竜王戦の本戦入りをかけて
各クラスで大詰めを迎える第37期竜王戦ランキング戦。。
一昨日の水曜日(22日)には最高クラス・1組で注目の決勝
「佐藤康光九段-山崎隆之八段」が行われました。。
結果は、上図113手までで先手・山崎八段が勝利。
すでに棋聖戦の緒戦者に名乗りを上げた絶好調の天才は
勢いそのままに、「羽生世代」のレジェンドとの競り合いを制し
堂々の優勝で最高シード権を獲得しました。。
38手目△8八角成。
上図での持ち駒
▲山崎八段: なし
△佐藤九段:: 角、歩2
佐藤九段が山崎八段を受けて立つ形で
戦型は現代将棋の華である「相掛かり」に決定。。
互いに飛車先で歩を交換した後
後手から積極的に駒を前に出す佐藤九段に対して
山崎八段が戦場で突っ張る後手の角頭に歩を突き立てると
佐藤九段は躊躇なく角交換を敢行し、模様を動かします。。
58手目△4五桂。
上図での持ち駒
▲山崎八段: 角、歩2
△佐藤九段:: 角、歩3
角交換成立直後、佐藤九段は1筋から追撃。。
先手の飛車を端に追いやると、自らの飛車を4筋へと振り
スムーズに拠点を築き、力強く仕掛けを開始します。。
このあたりは後手の作戦通りに思われましたが。。
95手目▲5二歩。
上図での持ち駒
▲山崎八段: 香、歩
△佐藤九段: 桂、歩2
しかし、目が冴え手が伸びる山崎八段はハツラツと。。
攻守に急所を捉える指し回しで後手から主導権を奪い返し
形勢の針を気持ちよくひきつけ、終盤戦の幕を開きます。。
【 投了図・113手目▲4四金 】
投了図での持ち駒
▲山崎八段: 飛、金
△佐藤九段: 飛、金、桂2、香、歩4
最後は読み切りの山崎八段がきっちりと
後手玉を仕留め上げた、上図の局面をみて
佐藤九段は為す術なく、無念の投了を告げました。。
これで今期開幕から負けなしの7連勝。。
かつての気ままな天才は喉越しすっきりとAI流をグイっと飲み込み
新たな進化を続けながら、6月開幕の棋聖戦へと突き進みます。。