第82期名人戦7番勝負/第4局・一日目「藤井名人の読み、豊島九段が封じ手」
初防衛を目指す藤井聡太名人に
タイトル返り咲きを狙う豊島将之九段が挑戦する
将棋界の「春の本場所」第82期名人戦7番勝負。
ここまで3局を消化し、藤井名人が貫禄の3連勝。
早々と防衛に王手を掛けて迎えた大一番/第4局が
本日、大分県別府市「割烹旅館もみや」にて開幕。。
第4局の先手は豊島九段。
カド番でもう後のない本局の初手は角道を開く▲2六歩から。
対します藤井名人は2手目に、飛車先を突く△8四歩と返し
対局はスタートとなりました。。
早々と居飛車を明示し
戦型の選択権を先手に委ねた名人に対して
豊島九段は3手目に1筋の端歩を突き出し一手パス。。
態度を明かさず、再び後手に手番を渡します。。
16手目△7六飛。
上図での持ち駒
▲豊島九段: 歩2
△藤井名人: 歩3
例によって事前準備を意識しながら
ナーバスな出だしをみせる挑戦者に対し、藤井名人は
全く動じることなく淡々と自然な応手で指し進み
盤上は「横歩取り」模様へと進行。。
互いに飛車先で歩を交換した後
上図の局面で、一手パスした先手に代わって名人が
8筋に浮いた飛車でお隣り7筋の横歩をかすめとります。。
この手をみて、豊島九段は
7筋に回った後手の飛車先を角で受けました。。
(17手目▲7七角)
25手目▲8三角。
上図での持ち駒
▲豊島九段: 歩2
△藤井名人: 角、歩2
先・後を入れ替えた形の「横歩取り」
先に動いたのは本局も注文をつけた豊島九段でした。
玉を立てた藤井名人に対して、居玉のまま角を交換すると
手にした角をすぐさま敵陣へ打ち込み、模様を動かします。。
藤井名人は飛車を4筋にかわしてから、格言通りに
「角には角」の合わせで角を消しに出ますが(28手目△7四角)
豊島九段は交換には応じず、金との交換で角を敵陣へと突進。。
気合も十分、華々しく盤上にいざ開戦を告げました。。
【 一日目終了図・38手目△6二玉 】
上図での持ち駒
▲豊島九段: 飛、歩2
△藤井名人: 角、銀、歩2
先手の宣戦布告に、藤井名人も強く応戦。。
起点の4筋から飛車・角の大駒で敵陣へと畳み掛け
一気に終盤戦模様へと突入します。。
盤上の緊張が高まる中
藤井名人が自陣に手を戻し、玉を6二の地点に構えた
上図の局面で、豊島九段が次の手を封じて一日目は終了。
二日目へと指し掛けになりました。。
互いに自陣のキズをケアし
盤上は落ち着きを取り戻しますが、嵐の前の静けさか
予断を許さぬ展開で迎える、明日は決着の二日目。。
まずは豊島九段の「封じ手」に注目が集まります。。