珠玉の名勝負。。第73回NHK杯/決勝「佐々木八段、神童下し感動の初優勝」 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

珠玉の名勝負。。第73回NHK杯/決勝「佐々木八段、神童下し感動の初優勝」

第73回NHK杯将棋トーナメント

決勝トーナメント表

 

【 投了図・169手目▲5二角 】

 

 

投了図での持ち駒

 

▲佐々木八段: 飛、金、銀、桂、歩7

△藤井八冠: 金、銀2、香、歩3

 

昨日放送されました

第73回NHK杯将棋トーナメント/決勝

注目の「藤井聡太八冠-佐々木勇気八段」は

上図169手までで、先手・佐々木八段が勝利。

 

初手合い以来、実に7年ぶりとなる

対藤井八冠戦勝利を大熱戦の末に大一番で見事飾った

夜明けの明星・佐々木八段が感動の初優勝を決めました。

 

 

 

 

 

49手目▲5五歩。

 

上図での持ち駒

 

▲佐々木八段: 角

△藤井八冠: 角

 

戦型は「角換わり相腰掛銀」

例によって手番を渡しながら最善形を維持する後手に対し

佐々木八段は手堅く玉の「入城」を果たすと、迎えた上図の局面で

飛車を合わせた5筋の歩を突き合わせ、仕掛けを開始します。。

 

 

 

78手目△8六歩。

 

上図での持ち駒

 

▲佐々木八段: 角

△藤井八冠: 角

 

佐々木八段は桂馬の拠点に続いて

敵陣で嫌らしく「と」金を作り、来るべき開戦へ向け

攻撃態勢を整え、後手に手番を渡します。。

(77手目△6二歩成)

 

一方の藤井八冠も受けに回りながらも抜け目なく

同じく桂馬の拠点を戦場に作ると、手番の回った上図の局面で

飛車先から突っかけ反撃を開始、次の▲同歩(79手目)をみて

銀で桂馬を捕獲し、いざ開戦を告げました(80手目△4五銀)。。

 

 

 

110手目△6七角。

 

上図での持ち駒

 

▲佐々木八段: 金、桂、歩

△藤井八冠: 歩7

 

いざ開戦後は、手に汗握る攻防戦。。

佐々木八段は怒涛の寄りで後手玉を追い詰めますが

藤井八冠も渾身の反撃に転じ、先手玉へと迫ります。。

 

ギリギリの戦いはいつ果てるともなく

形勢の針を二転、三転させながらいよいよクライマックスへ。。

 

「藤井八冠-佐々木八段」の棋譜中継はこちら

 

 

【 投了図・169手目▲5二角 】

 

 

投了図での持ち駒

 

▲佐々木八段: 飛、金、銀、桂、歩7

△藤井八冠: 金、銀2、香、歩3

 

稀にみる死闘、名勝負に終止符を打ったのは佐々木八段。

神童渾身の猛攻をギリギリ凌いでから鮮やかに敵将を仕留め上げ

上図で藤井八冠はついに万策尽き果て無念の投了を告げました。

 

最終盤戦で歩のタダ捨てを連発し時間を稼ぐなど

勝利への執念を最後まで燃やした藤井八冠でしたが

後一歩及ばず、連覇の野望は潰えました。。

 

一方、神童との息つく暇もない大激戦を見事に制した

佐々木八段はその実力を全国の将棋ファンにみせつけ

堂々の初優勝を飾りました。