将棋世界 2024年4月号
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【 投了図・138手目△6一歩 】
投了図での持ち駒
▲広瀬九段: 歩
△佐々木七段: 角2、金2、銀2、歩3
今週は棋聖戦の挑戦者決定トーナメントで賑わう将棋界。。
昨日は「広瀬章人九段-佐々木大地七段」の好カードが
総本山の東京・将棋会館にて行われました。
結果は
上図138手までで、後手番の佐々木七段が大逆転勝利。
打倒・藤井聡太棋聖を目指す長崎が生んだ28歳の大器が
まずは強豪を下し、1回戦突破を決めました。。
115手目▲7六銀。
上図での持ち駒
▲広瀬九段: 歩3
△佐々木七段: 銀2、歩3
戦型は「相掛かり」
中盤の熱のこもったねじり合いから一歩抜け出し
攻防の主導権を握った広瀬九段が形勢をリードして
終盤戦に突入しましたが、上図で痛恨の疑問手発生。。
代えて金で角を払った方が勝ったようですが
ここで九死に一生の手番の回った佐々木七段は逆に
角で金を払い、急所の懸念を払ってから(116手目△5三角)
敵陣へ銀を振り下ろし、反撃に転じます(118手目△4九銀)。。
すると。。
【 投了図・138手目△6一歩 】
投了図での持ち駒
▲広瀬九段: 歩
△佐々木七段: 角2、金2、銀2、歩3
広瀬九段は懸命に後手玉へと迫りますが
一度変わった盤上の流れを引き戻すには至らず。。
佐々木七段が先手の寄せを凌いだ、上図の局面をみて
広瀬九段は万策尽き果て、無念の投了を告げました。。
今期はA級陥落の憂き目をいるなど
やや精彩を欠くシーズンを過ごす広瀬九段は本局でも
らしくない終盤の失着で早くも本戦から姿を消しました。。
一方、あふれる闘志と集中力で
逆転を呼び込んだ佐々木七段が2年連続挑戦権獲得へ
その第一歩を踏み出しました。。