満を持して最高峰へ。。第82期B級1組順位戦/12回戦「千田八段、昇級の一番を振り返ろう」 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

満を持して最高峰へ。。第82期B級1組順位戦/12回戦「千田八段、昇級の一番を振り返ろう」

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第82期B級1組順位戦対戦表

 

本日の将棋界には

先日、順位戦の最高峰・A級昇級を果たした

注目の千田翔太八段が登場。。

 

第37期竜王戦のランキング3組/2回戦を

同じ森信雄七段門下の澤田真吾七段と戦います。。

 

千田八段は今年の4月で30歳。

今期ここまでの成績は29戦18勝11敗(.621)。

順位戦はB級1組で8勝3敗。最終戦の結果を待たずに

来期のA級昇級を決めました。

 

誰よりも早く将棋ソフトを研究に取り入れ

今後の活躍がさらなる活躍が期待される千田八段の

今回はA級昇級の一番を振り返らせていただきます。。

 

 

 

4手目△4四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲千田七段: なし

△屋敷九段: なし

 

対局の舞台は2月8日に行われました

東京・将棋会館での屋敷伸之九段との12回戦。

 

千田七段(当時)の先手で

互いに角道を開ける出だしから、次に千田七段が

飛車先を突いたのをみて、屋敷九段は追随せずに

角道を止め、振り飛車投入を示唆しました。。

 

 

 

15手目▲8八銀。

 

上図での持ち駒

 

▲千田七段: なし

△屋敷九段: なし

 

しかし、屋敷九段は生粋の居飛車党。。

すぐに飛車先を決め、盤上は相居飛車の力戦模様の進行に。。

 

 

 

27手目▲3五歩。

 

上図での持ち駒

 

▲千田七段: なし

△屋敷九段: なし

 

ジリジリとした駒組みから

先に仕掛けたのは、千田七段でした。。

上図で軽く3筋の歩を突き出すと。。

 

 

 

35手目▲3八飛。

 

上図での持ち駒

 

▲千田七段: なし

△屋敷九段: なし

 

後手の丸い角頭を標的に

飛車を合わせて3筋を起点としました。。

 

 

 

52手目△7六歩。

 

上図での持ち駒

 

▲千田七段: なし

△屋敷九段: 歩3

 

テキパキと模様を伸ばす先手に対し

屋敷九段は飛車を合わせた7筋の歩を取り込み

敵将の頭上から圧力をかけます。。

 

ここで手番の回った千田七段は、次に。。

 

 

 

53手目▲2四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲千田七段: なし

△屋敷九段: 歩3

 

ノータイムで2筋の歩を突き合わせ

自らの飛車先から、いざ開戦を告げました。。

 

屋敷九段はすぐに△同歩と応じて、以下

▲同角~△同角~▲同飛~△2三歩~▲2六飛に

△8六歩~▲同歩~△8七歩~▲同銀~△6五銀~

▲6八金上をみて、下図66手目△6六銀と進行。。

 

 

 

66手目△6六銀。

 

上図での持ち駒

 

▲千田七段: 角、歩3

△屋敷九段: 角、銀、歩2

 

屋敷九段は受けには回らずすぐに反発。。

飛車先から反撃に転じ、一気に攻勢に出ました。。

 

が、しかし。。

 

 

 

89手目▲3三歩。

 

上図での持ち駒

 

▲千田七段: 飛、角、銀、歩4

△屋敷九段: 飛、金、歩2

 

千田七段は怯まず。。

後手の猛攻を凌ぎながら、機をみて上図でズバッと

敵陣の急所を歩で叩き、反撃開始。。

 

次の△同桂に▲4一銀と畳みかけ

形勢の針は爽やかに、先手へと傾いて行きます。。

 

 

【 投了図・101手目▲4三銀 】

 

 

投了図での持ち駒

 

▲千田八段: 飛、角、金、歩4

△屋敷九段: 金、銀、桂、歩3

 

屋敷九段は寄せに入りますが、先手玉には届かず。。

手番を握った千田七段が反転速攻の寄せに入った

上図の局面で、無念の投了を告げました。。

 

終局時刻は午後10時57分。

熱戦を制し8勝目をあげた千田七段が、この瞬間

一流棋士の証、A級昇級と八段昇段を決めました。。