将棋世界2024年3月号(付録セット) [雑誌]
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本日の将棋界には
先日、順位戦の最高峰・A級昇級を果たした
注目の千田翔太八段が登場。。
第37期竜王戦のランキング3組/2回戦を
同じ森信雄七段門下の澤田真吾七段と戦います。。
千田八段は今年の4月で30歳。
今期ここまでの成績は29戦18勝11敗(.621)。
順位戦はB級1組で8勝3敗。最終戦の結果を待たずに
来期のA級昇級を決めました。
誰よりも早く将棋ソフトを研究に取り入れ
今後の活躍がさらなる活躍が期待される千田八段の
今回はA級昇級の一番を振り返らせていただきます。。
4手目△4四歩。
上図での持ち駒
▲千田七段: なし
△屋敷九段: なし
対局の舞台は2月8日に行われました
東京・将棋会館での屋敷伸之九段との12回戦。
千田七段(当時)の先手で
互いに角道を開ける出だしから、次に千田七段が
飛車先を突いたのをみて、屋敷九段は追随せずに
角道を止め、振り飛車投入を示唆しました。。
15手目▲8八銀。
上図での持ち駒
▲千田七段: なし
△屋敷九段: なし
しかし、屋敷九段は生粋の居飛車党。。
すぐに飛車先を決め、盤上は相居飛車の力戦模様の進行に。。
27手目▲3五歩。
上図での持ち駒
▲千田七段: なし
△屋敷九段: なし
ジリジリとした駒組みから
先に仕掛けたのは、千田七段でした。。
上図で軽く3筋の歩を突き出すと。。
35手目▲3八飛。
上図での持ち駒
▲千田七段: なし
△屋敷九段: なし
後手の丸い角頭を標的に
飛車を合わせて3筋を起点としました。。
52手目△7六歩。
上図での持ち駒
▲千田七段: なし
△屋敷九段: 歩3
テキパキと模様を伸ばす先手に対し
屋敷九段は飛車を合わせた7筋の歩を取り込み
敵将の頭上から圧力をかけます。。
ここで手番の回った千田七段は、次に。。
53手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲千田七段: なし
△屋敷九段: 歩3
ノータイムで2筋の歩を突き合わせ
自らの飛車先から、いざ開戦を告げました。。
屋敷九段はすぐに△同歩と応じて、以下
▲同角~△同角~▲同飛~△2三歩~▲2六飛に
△8六歩~▲同歩~△8七歩~▲同銀~△6五銀~
▲6八金上をみて、下図66手目△6六銀と進行。。
66手目△6六銀。
上図での持ち駒
▲千田七段: 角、歩3
△屋敷九段: 角、銀、歩2
屋敷九段は受けには回らずすぐに反発。。
飛車先から反撃に転じ、一気に攻勢に出ました。。
が、しかし。。
89手目▲3三歩。
上図での持ち駒
▲千田七段: 飛、角、銀、歩4
△屋敷九段: 飛、金、歩2
千田七段は怯まず。。
後手の猛攻を凌ぎながら、機をみて上図でズバッと
敵陣の急所を歩で叩き、反撃開始。。
次の△同桂に▲4一銀と畳みかけ
形勢の針は爽やかに、先手へと傾いて行きます。。
【 投了図・101手目▲4三銀 】
投了図での持ち駒
▲千田八段: 飛、角、金、歩4
△屋敷九段: 金、銀、桂、歩3
屋敷九段は寄せに入りますが、先手玉には届かず。。
手番を握った千田七段が反転速攻の寄せに入った
上図の局面で、無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後10時57分。
熱戦を制し8勝目をあげた千田七段が、この瞬間
一流棋士の証、A級昇級と八段昇段を決めました。。