将棋世界2024年3月号(付録セット) [雑誌]
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今回は、昨日放送されました
日曜午前のお楽しみ、NHK杯将棋トーナメント/準々決勝
注目の「羽生善治九段-中村太地八段」の一戦の模様を
振り返らせていただきます。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲中村八段: なし
△羽生九段: なし
本局の先手は中村八段。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。。
対します、羽生九段も2手目に同じく飛車先を突く
△8四歩と返して、対局はスタート。。
18手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲中村八段: なし
△羽生九段: 角
互いに居飛車を明示する出だしから
戦型をめぐる駆け引きの末、先手が桂馬を跳ねたのをみて
羽生九段はすかさず角交換を敢行。。まずは手損のない
「ノーマル角換わり」となりました。
41手目▲4五桂。
上図での持ち駒
▲中村八段: 角
△羽生九段: 角
角交換成立は同型模様の進行となり
戦型はおなじみの「角換わり相腰掛銀」に決定。。
駒組みの飽和点が近づく中
例によって玉を左右に振りながら手番を渡す後手に対して
中村八段は上図で桂馬を戦場へ跳ね、仕掛けを開始します。。
50手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲中村八段: なし
△羽生九段: 歩2
桂馬を拠点にトントン拍子で歩を突き出し
模様を動かした中村八段はこじ開けた6筋のスペースへ
手持ちの角を打ち込み形を決めます(47手目▲6四角)。。
しかし、ここで手番の回った羽生九段も
手持ちの角を戦場へ打ち込み切り返すと(48手目△4四角)
先手の飛車先からの追撃には構うことなく(49手目△2四歩)
自らの飛車先8筋から反発、強く開戦を迫ります。。
65手目▲3三桂成。
上図での持ち駒
▲中村八段: 桂
△羽生九段: 歩5
互いに相手の角頭に桂馬の重しを置くと
しばしのにらみ合いから、中村八段が上図の局面で
桂馬を敵陣へと飛び込ませ、桂交換を成立させつつ
後には引けない本格開戦の口火を切りました。。
羽生九段は△同銀(66手目)と応じて、以下
▲4五桂~△4二銀~▲7七桂~△2五歩~▲2七金~
△6六桂~▲6八金に△7七桂成~▲同銀~△7五歩~
▲6七銀をみて、下図78手目△8五桂と進行。。
78手目△8五桂。
上図での持ち駒
▲中村八段: 桂
△羽生九段: 歩5
満を持してのいざ開戦後は、羽生九段の独壇場。。
現代将棋の華である桂馬の厳しい連打で先手陣へと迫り
あっという間に形勢の針を引き寄せました。。
【 投了図・104手目△7八歩 】
投了図での持ち駒
▲中村八段: 金、銀2、桂2
△羽生九段: 角、金、歩6
そのまま鋭く寄せに入った羽生九段の前に
中村八段は形作りすらままならず、上図の局面をみて
万策尽き果て、無念の投了を告げました。。
後手番で見事な完勝を飾った羽生九段が颯爽とベスト4進出。。
準決勝は神童・藤井聡太八冠と全国放送の晴れ舞台で激突します。。
これは楽しみ☆