将棋世界2024年3月号(付録セット) [雑誌]
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【 投了図・120手目△4八成桂 】
投了図での持ち駒
▲糸谷八段: 角、桂、歩5
△羽生九段: 歩3
王将戦が圧倒的大差で決着をみた、昨日
大詰めを迎える第82期順位戦のうち、B級1組で
“ラス前”となります12回戦が一斉対局にて行われました。
注目の羽生善治九段は糸谷哲郎八段と対戦。
結果は、上図120手までで見事勝利を飾りました。。
22手目△6三銀。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: なし
△羽生九段: なし
互いに飛車先を突く出だしから
「角換わり」を目指す定跡手順の進行となりますが
糸谷八段が角交換を拒み、戦型は現代調の「相雁木」へ。。
47手目▲5九飛。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: なし
△羽生九段: なし
代名詞でもある「右玉」に構えた糸谷八段は
羽生九段が1筋の香車を繰り上げ(46手目△1二香)
「穴熊」を明示したのをみて、すかさず飛車に手をかけ
中央5筋に合わせました。。
この手をみて、羽生九段は
24分の考慮でしっかりと読みを入れてから
玉を「穴熊」へ納めると(48手目△1一玉)。。
49手目▲5五歩。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: なし
△羽生九段: なし
糸谷八段はノータイムで
飛車を合わせた5筋の歩を突き合わせ
このタイミングで先に仕掛けを開始します。。
が、しかし。。
78手目△3五歩。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: 桂
△羽生九段: 歩2
手堅く「穴熊」のハッチを閉めてから
糸谷八段の仕掛けを受け止めた羽生九段は
流れの中で飛車を合わせた3筋の歩を突き合わせ
先手玉の頭上から厳しく反撃に転じました。。
【 投了図・120手目△4八成桂 】
投了図での持ち駒
▲糸谷八段: 角、桂、歩5
△羽生九段: 歩3
攻め合いの終盤戦
自慢の剛腕振り回す糸谷八段の攻撃は後手玉へ届かず。。
一方、羽生九段はスムーズに手を繋ぎ敵将目掛けて畳みかけ
上図の局面をみて、糸谷八段は無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後7時16分。
華麗な指し回しで後手番で見事な快勝を飾った
羽生九段は順位戦の連敗を「2」で止め、6勝5敗としました。
一方、意欲的な作戦も実らず手痛い黒星を喫した
糸谷八段も6勝5敗で最終戦に臨みます。。