第82期A級順位戦/8回戦「豊島九段敗れるも単独トップをキープし、最終戦へ」 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

第82期A級順位戦/8回戦「豊島九段敗れるも単独トップをキープし、最終戦へ」

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第82期A級順位戦対戦表

 

【 投了図・142手目△5七金 】

 

 

投了図での持ち駒

 

▲豊島九段: 飛、金、銀、桂、歩6

△斎藤八段: 銀

 

昨日行われました

第82期A級順位戦の”ラス前”8回戦・一斉対局のうち

注目の「豊島将之九段-斎藤慎太郎八段」の一戦は

上図142手までで、後手・斎藤八段が勝利。。

 

夕食休憩前までの流れ

 

 

 

 

49手目▲4五歩。

 

上図での持ち駒

 

▲豊島九段: 歩

△斎藤八段: 歩

 

現代調の「矢倉」を採用した豊島九段に対して

「中住まい」に構えた玉を中心に駒組みを進める斎藤八段は

機をみて1筋の端から仕掛けを開始しますが(46手目△1四歩)

豊島九段は上図で4筋の歩を突き合わせ、すぐに反発します。。

 

58分の長考の末に▲同歩と応じた斎藤八段は

豊島九段が追撃の桂馬を跳ねたのをみて(51手目▲4五同桂)

玉頭5筋の歩をすぐに突き出し、こちらも引かずに強く反発。。

(52手目△5五歩)

 

盤上が風雲急を告げる中

手番の回った豊島九段は、ほんの3分の考慮の後。。

 

 

 

53手目▲3三桂成。

 

上図での持ち駒

 

▲豊島九段: 桂、歩

△斎藤八段: 歩

 

爽やかに桂馬を敵陣へ放り込み

ともに研究に自信有りと、いざ開戦を告げました。。

 

 

 

96手目△4五桂。

 

上図での持ち駒

 

▲豊島九段: 歩3

△斎藤八段: 桂、歩2

 

開戦後は見応えたっぷり

盤全体を使った手練手管のねじり合いが展開されましたが

先行を許した斎藤八段が次第に盛り返し、終盤戦に突入します。。

 

 

【 投了図・142手目△5七金 】

 

 

投了図での持ち駒

 

▲豊島九段: 飛、金、銀、桂、歩6

△斎藤八段: 銀

 

豊島九段は最後まで敵将へと迫りますが

斎藤八段が一足お先に先手玉を仕留めた、上図の局面で

ついに万策尽き果て、無念の投了を告げました。。

 

終局時刻は午前0時52分。

ハイレベルな熱戦を見事に制した斎藤八段は

順位戦の連敗を「3」で止め、価値ある3勝目(5敗)を飾り

最下位から、さらには順位の関係で降級圏からも脱出しました。

 

一方、痛恨の黒星を喫した豊島九段は

6勝2敗となり、優勝もプレーオフ以上の確定も

お預けとなりましたが。。

 

同日、星一つの差で後を追っていた

菅井竜也八段も佐藤天彦九段の前に黒星を喫し

豊島九段はかろうじて単独トップをキープ。。

 

今月29日に行われます

「将棋界の一番長い日」、最終戦・一斉対局で

菅井八段との直接対決に自力優勝を掛けて臨みます。。