第73回NHK杯/3回戦「羽生九段、完勝でベスト8進出」 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

第73回NHK杯/3回戦「羽生九段、完勝でベスト8進出」

第73回NHK杯将棋トーナメント

決勝トーナメント表

 

【 投了図・151手目▲8七玉 】

 

 

投了図での持ち駒

 

▲羽生九段: 飛、金、桂、歩3

△永瀬九段: 銀2、歩5

 

藤井聡太八冠が登場した朝日杯に女流名人戦の開幕戦と

日曜日にも関わらず注目対局目白押しで大いに盛り上がった

昨日の将棋界ですが、日曜午前のお楽しみであるNHK杯でも

「羽生善治九段-永瀬拓矢九段」の好カードが放送されました。

 

結果は、上図151手までで先手・羽生九段が勝利。

タイトル戦の常連で現代将棋界を代表する棋士となった

永瀬九段を完勝で下し、準々決勝進出を決めました。。

 

 

 

29手目▲4四飛。

 

上図での持ち駒

 

▲羽生九段: 歩2

△永瀬九段: 歩3

 

戦型は「横歩取り」

飛車を浮かせたまま突っ張り、玉を「中住まい」に構えた

羽生九段は後手の飛車を1筋の端に追いやって迎えた

上図の局面で、早々と大駒を捌きに出ました。。

 

 

 

74手目△2五桂。

 

上図での持ち駒

 

▲羽生九段: 歩3

△永瀬九段: 歩

 

先手は二枚角、後手は二枚飛車を拠点に据えた中盤戦。。

じわじわと模様を広げる先手に対し、飛車の活路を開けない

永瀬九段は上図で桂馬を跳ね上げ、いざ開戦を求めます。。

 

羽生九段はすかさず敵陣に踏み込み(75手目▲2二角成)

以下、△3七桂成~▲同金~△2四飛~▲1一馬に△3六歩~

▲3八金~△3五金~▲3三歩~△3七歩成~▲同金をみて

△4六金~下図82手目▲3二歩成と進行。。

 

 

 

87手目▲3二歩成。

 

上図での持ち駒

 

▲羽生九段: 桂、香、歩4

△永瀬九段: 桂、歩2

 

前に出た後手に対しても、羽生九段は慌てず騒がず。。

ラインの重なる角の第一陣が鋭く後手陣をエグってから

手応えは十分と、後手の金取りを手抜いて歩を成り込み

攻め合いでの開戦を告げました。。

 

 

 

123手目▲5四桂。

 

上図での持ち駒

 

▲羽生九段: 桂、歩3

△永瀬九段: 金、銀2、歩4

 

後手の二枚飛車に全く仕事をさせることなく

盤上を巧みにコントロールしながらリードを広げた

羽生九段は上図で急所へズバリと桂馬を投入。。

駒音高く、勝負を決めに行きます。。

 

「羽生九段-永瀬九段」の棋譜はこちら

 

【 投了図・151手目▲8七玉 】

 

 

投了図での持ち駒

 

▲羽生九段: 飛、金、桂、歩3

△永瀬九段: 銀2、歩5

 

手が伸びる羽生九段を前にして

新時代のオンリーワン・永瀬九段も為す術なく。。

最後の反撃も形作りに留まり、上図の局面をみて

万策尽き果て、無念の投了を告げました。。

 

全国放送の晴れ舞台で存在感を存分に示した

羽生九段が気分良く、準々決勝へと駒を進めました。。