第36期竜王戦決勝三番勝負/第2局「最終盤で逆転、伊藤六段が挑戦権獲得」
昨日、東京・将棋会館にて行われました
注目の第36期竜王戦挑戦者決定トーナメント/決勝
「永瀬拓矢王座-伊藤匠六段」の三番勝負/第2局は
146手までで、後手・伊藤六段が勝利を飾りました。
戦型は後手からノーマル角換わりが敢行された後
「腰掛銀」に構えた永瀬王座に対し、銀を自陣に保留したまま
伊藤六段は「右玉」に構え、飛車を左右に振りながら手番を渡す
最先端の研究将棋へと進行します。。
先手の注文通りに
永瀬王座は4筋の歩を突き合わせ、先に仕掛けを開始。
流れに乗って銀交換を成立させると、大駒を拠点にして
そのまま攻勢を強めますが、伊藤六段も強く反撃。。
先手は飛車を、後手は馬を
それぞれ敵陣に成り込み、いざ開戦となりました。。
攻め合いの終盤戦
伊藤六段は6筋を起点に先に寄せへと入りますが
攻守に手厚い永瀬王座は決め手を与えず手番を握ると
反撃の寄せに入り、形勢は混沌と。。
迎えた最終盤戦。。
永瀬王座の寄せは鋭く、形勢の針は先手に傾きますが
必死に粘る伊藤六段の前にギリギリの局面で目が眩んだか
113手目に放たれた▲6二銀打が痛恨の疑問手に。。
ここで手番を稼いだ伊藤六段が、九死に一生。。
きわどく先手の寄せを振り切り、それでも最後まで追い詰めた
永瀬王座は146手目の局面で、ついに万策尽き果て
無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後10時58分。
大熱戦を土壇場で逆転し、見事な勝利を飾った
伊藤六段がこの瞬間、番勝負を開幕2連勝で制し
竜王戦挑戦者に名乗りをあげました。