第36期竜王戦・本戦/準決勝「輝く伊藤六段、逆転勝利で決勝三番勝負進出」 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

第36期竜王戦・本戦/準決勝「輝く伊藤六段、逆転勝利で決勝三番勝負進出」

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藤井聡太竜王への挑戦権を目指して

佳境を迎える第36期竜王戦挑戦者決定トーナメントは

昨日、注目の準決勝「稲葉陽八段-伊藤匠六段」が行われ

結果は113手までで先手・伊藤六段が勝利を飾りました。

 

稲葉八段の今期ここまでの成績は

6戦3勝3敗、順位戦はA級で開幕黒星スタートとなるも

竜王戦はランキング戦の最高峰・1組で見事優勝を飾り

最高シードを獲得、この準決勝が初戦となります。。

 

対します、伊藤六段の今期ここまでの成績は

16戦14勝2敗(.882)。順位戦はC級1組で1勝1敗。

5組優勝者として出場の竜王戦は1回戦から登場すると

破竹の4連勝と台風の目となり、本局を迎えました。。

 

両者はちょうど1年ぶり、2度目の顔合わせ

初手合いは稲葉八段が勝利し、貫録を示しましたが。。

 

本局の先手は伊藤六段。

初手から互いに飛車先を決め合い、戦型は

現代将棋の中心である「相掛かり」となりました。。

 

後手番から果敢に仕掛けた

稲葉八段が主導権を握りますが、2筋での桂交換を合図に

いざ開戦となると、伊藤六段も強く反撃転じ攻め合いへ。。

 

それでも、形勢の針は後手に傾いたまま

終盤戦を迎えますが、粘りの利いた先手の差し回しに

稲葉八段の目が眩んだか、勝負どころで疑問手が発生します。。

 

ようやく回ったチャンスを、伊藤六段は逃すことなく

敵陣の急所である3筋に歩を成り込んだ、87手目の局面で

一気に形勢逆転、稲葉八段は直後に反撃に転じましたが

時すでに遅く、伊藤六段は桂馬を起点に寄せに入ります。。

 

大差となった最終盤戦に

稲葉八段は為す術なく、無念の投了を告げました。。

 

終局時刻は午後10時2分。

バリバリのA級棋士と互角に渡り合い、逆転で勝利した

伊藤六段はこれで公式戦9連勝とさらに勢いを加速させて

堂々の決勝三番勝負進出。。

 

先に決勝進出を決めた永瀬拓矢王座との

藤井竜王への挑戦権を懸けた大勝負へ、自信を胸に臨みます。。