伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦7番勝負/第1局「さすがの勝負術、藤井棋聖が白星発進」
【 投了図・97手目▲6四「と」金 】
投了図での持ち駒
▲藤井王位: 金、歩3
△佐々木七段: 角、銀、歩2
4連覇を目指す藤井聡太王位に
長崎が生んだ大器・佐々木大地七段が挑戦する
第64期伊藤園お~いお茶杯王位戦7番勝負。
現在開催中の棋聖戦と並行して争われる両者の番勝負が
一昨日の金曜日(7日)、愛知県豊田市「豊田能楽堂」にて
運命の幕を開きました。。
二日間にわたる熱戦の末に
結果は上図97手までで、先手・藤井王位が勝利。
大事な開幕戦を白星で飾りました。。
戦型は城跡手順の進行で「横歩取り」に決定。
3筋の戦場に浮いたまま突っ張る先手の飛車にまずは銀を当て
追い払った佐々木七段は続けて角交換を敢行し模様を動かします。
(20手目の局面)
角交換成立直後
藤井王位は手にした角をすぐさま6六の地点に投入。
形を決めてから駒組みを進める先手に対し、佐々木七段は
駒組みの完成間近に5四の地点は角を打ち込み臨戦態勢へ。。
(42手目の局面)
77手目▲3五歩。
上図での持ち駒
▲藤井王位: なし
△佐々木七段: 歩3
互いに相手の大駒を抑え込みながら
重厚な駒組みが続きますが、後手が玉の「入城」を果たした
次の瞬間、藤井棋聖は3筋の歩を突き出し仕掛けを開始します。
佐々木七段は3分の少考で△同歩と応じて
いよいよ、戦いの火ぶたが切って落とされました。。
すると、直後に銀・飛車交換が後手陣で成立。。
藤井王位はここがチャンスと一気に敵陣へ踏み込むと
佐々木七段も機をみて激しく反撃に転じ、盤上は一気に
終盤戦模様へと突入します。。
【 投了図・97手目▲6四「と」金 】
投了図での持ち駒
▲藤井王位: 金、歩3
△佐々木七段: 角、銀、歩2
終盤戦も接戦となりましたが
玉の逃げ場が広い先手に対し、3一の歩が重い
佐々木七段に粘る手順は限られ、上図の局面をみて
打つ手なしと無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後6時17分。
さすがの勝負術で難解な熱戦を制した藤井王位が
防衛に向け、貫録の白星発進を決めました。。