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第３４期女流王位戦５番勝負/第３局「里見女流王位快勝、５連覇に王手」
５連覇を目指す里見香奈女流王位に
無冠返上を期す伊藤沙恵女流四段が挑戦する
第３４期女流王位戦５番勝負。
ここまで２局を消化し、ともに譲らず１勝１敗。
勝者がタイトルに王手をかける注目の第３局が
本日、福岡県飯塚市「麻生大浦荘」にて開幕。。
第３局の先手は伊藤女流四段。
その初手は飛車先を突く▲２六歩から。。
２手目△３四歩。
上図での持ち駒
▲伊藤女流四段： なし
△里見女流王位： なし
対します、里見女流王位は２手目に
角道を開く△３四歩と返し、対局はスタート。。
６手目△４四歩。
上図での持ち駒
▲伊藤女流四段： なし
△里見女流王位： なし
続く３手目に、伊藤女流四段が飛車先を決め
後手に△３三角の受けを強要してから角道を開くと
里見女流王位はノータイムで、自らの角道を止めて
振り飛車投入を示唆します。。
この手に対し、１分の少考で
伊藤女流四段が▲４八銀と返したのをみて。。
８手目△２二飛。
上図での持ち駒
▲伊藤女流四段： なし
△里見女流王位： なし
里見女流王位はここもノータイムで
飛車に手をかけ２筋へと振り、「向かい飛車」を投入。
戦型は「対抗形」となりました。。
１２手目▲７二銀。
上図での持ち駒
▲伊藤女流四段： なし
△里見女流王位： なし
互いに飛車のポジションが決まると次は
双方息を合わせて居玉を解除し、玉の囲いを目指し
里見女流王位は上図の局面で、振り飛車の相棒である
「美濃囲い」を完成させますが。。
２６手目△７三桂。
上図での持ち駒
▲伊藤女流四段： なし
△里見女流王位： なし
玉の「入城」を果たす前に
桂馬を跳ね上げ、先手の駒組みをけん制します。。
一方の伊藤女流四段は、この手をみて
まずは金を玉に連結させてから（２７手目▲７八金）
次の△７一玉をみて、９筋の香車を一段繰り上げ
振り飛車の天敵「穴熊」を明示しました。。
すると、次の瞬間
３０手目△２四歩。
上図での持ち駒
▲伊藤女流四段： なし
△里見女流王位： なし
里見女流王位は２筋の歩を突き合わせ
このタイミングで飛車先から仕掛けを開始しました。。
伊藤女流四段はすぐに▲同歩と応じて、以下
△同飛～▲同飛～△同角～▲２八飛に△７九角成～
▲同玉～△４九飛～▲５九角打～△２六歩～▲同飛をみて
△５九飛成～▲同銀～下図４４手目△３五角と進行。。
４４手目△３五角。
上図での持ち駒
▲伊藤女流四段： 飛、歩２
△里見女流王位： 銀
飛車交換成立直後
続けて敵陣に角を飛び込ませ、大駒を捌いた
里見女流王位は好調に、手番を握って畳みかけ
上図で王手・飛車取りの大技を決めました。。
５６手目△８五桂。
上図での持ち駒
▲伊藤女流四段： 桂、香、歩
△里見女流王位： 銀
里見女流王位の攻め手は途切れることなく
景気よく駒を回転させながら鮮やかに攻撃態勢を整え
午前の段階で早くも形勢の針を大きく引き寄せます。。
万全の事前研究を思わせる後手を前にして
苦しくなった伊藤女流四段が６六角と当たりの角をかわすと
里見女流王位がすぐに△２六角（５８手目）とのぞいた局面で
ようやく午前の対局は終了、お昼休憩に突入します。。
【 お昼のメニュー 】
伊藤女流四段： かしわめし御膳（そば小盛）、フルーツ盛合せ
里見女流王位： にぎり寿司膳
７２手目△７七歩。
上図での持ち駒
▲伊藤女流四段： 歩３
△里見女流王位： 銀２、香
午後の対局開始となると
伊藤女流四段は機を見て反撃に転じますが
大きく差のついた盤上の景色は変わることなく
里見女流王位は厳しく寄せに入ります。。
【 投了図・８６手目△１九龍 】
投了図での持ち駒
▲伊藤女流四段： 歩３
△里見女流王位： 金、香、歩
敵将を９筋の戦場に追い込んだ
里見女流王位が悠々とトドメの香車を補充した
上図の局面で、伊藤女流四段は為す術なく
無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後２時４３分。
攻め手が見事につながり会心の勝利を飾った
里見女流王位が今シリーズの対戦成績を２勝１敗とし
５連覇へ堂々の王手を掛けました。。
