第73回NHK杯/1回戦「船江六段-里見女流五冠を振り返ろう」 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

第73回NHK杯/1回戦「船江六段-里見女流五冠を振り返ろう」

第73回NHK杯将棋トーナメント

決勝トーナメント表

 

 

今回は4月最後の日曜日(30日)に放送されました

第73回NHK杯将棋トーナメント/1回戦注目の好カード

「船江恒平六段-里見加奈女流五冠」の対局の模様を

ご紹介させていただきます。

 

 

 

2手目△3四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲船江六段: なし

△里見女流五冠: なし

 

船江六段の初手は角道を開く▲7六歩から。。

対します、里見女流五冠も2手目に同じく角道を開く

△3四歩と返し、対局はスタート。。

 

 

 

6手目△5二飛。

 

上図での持ち駒

 

▲船江六段: なし

△里見女流五冠: なし

 

続く3手目に、船江六段が飛車先の歩を突いたのをみて

里見女流五冠は中央5筋の歩を突くと、次の▲2五歩をみて

飛車を5筋へと振り、得意の「ゴキゲン中飛車」を投入。。

注目の戦型は「対抗形」となりました。

 

 

 

18手目△6二玉。

 

上図での持ち駒

 

▲船江六段: なし

△里見女流五冠: なし

 

飛車のポジションが決まると、次に

両者は息を合わせて銀を4筋の戦場へと繰り出し

「銀対抗」形を描き出してから、玉の囲いを目指します。。

 

 

 

42手目△6四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲船江六段: なし

△里見女流五冠: なし

 

互いに守りの要・金を戦場高くに構え

争点の5筋へ戦力を集中させますが、上図の局面で

囲いを「美濃囲い」から「銀冠」にシフトした里見女流五冠が

6筋の歩を突き合わせ、先に仕掛けを開始しました。。

 

 

 

51手目▲6五歩。

 

上図での持ち駒

 

▲船江六段: なし

△里見女流五冠: なし

 

歩交換成立後

里見女流五冠が6筋に飛車を合わせたのをみて

船江六段もすぐに呼応し、6筋に飛車を合わせると

上図で歩を投入し、抑え込みを図ります。。

 

 

 

57手目▲2四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲船江六段: なし

△里見女流五冠: 歩

 

全軍発動の重厚な駒組みは続きますが

後手が角を引き下げたのをみて(56手目△3一角)

船江六段はがら空きの2筋の歩を突き合わせました。。

この手に、里見女流五冠が△同歩と応じると。。

 

 

 

59手目▲5五歩。

 

上図での持ち駒

 

▲船江六段: 歩

△里見女流五冠: 歩2

 

船江六段は天王山・5筋の歩を金で払い

ここでいよいよ盤上にいざ、開戦を告げました。。

 

里見女流五冠は△同金と応じて、以下

▲同金に△7四歩~▲6四金~△7五歩~▲同銀~

△7六歩~▲6六角~△5五銀打~▲7四歩~△6六銀~

▲同飛~△5五角をみて、下図73手目▲7三金打と進行。。

 

 

 

73手目▲7三金打。

 

上図での持ち駒

 

▲船江六段: 銀、歩

△里見女流五冠: 歩2

 

捌きに出た先手に対し、里見女流五冠も応戦し

中盤での激しい揉み合いとなりますが、船江六段は強く

上図で金を叩き込み、後手玉を仕留めに行きます。。

 

が、しかし。。

 

 

 

92手目△7五銀。

 

上図での持ち駒

 

▲船江六段: 銀、歩

△里見女流五冠: 金、銀、桂、歩3

 

後手玉の生命力は逞しく。。

先手渾身の寄せを辛くも凌ぎ、握った手番で

里見女流五段は反撃開始。。すると

 

「船江六段-里見女流五冠」の棋譜はこちら

 

 

【 投了図・100手目△8六銀 】

 

 

投了図での持ち駒

 

▲船江六段: 飛、銀、歩

△里見女流五冠: 飛、金、銀、歩5

 

寄せに全てを懸けた先手に守備の余力はなく

そのまま後手に為す術なく寄り切られた、上図の局面で

船江六段は無念の投了を告げました。。

 

土俵際から見事な逆転勝利を飾った

里見女流五冠が2回戦進出を決めました。。