第36期竜王戦・ランキング戦3組/準決勝「威風堂々、郷田九段が決勝進出」
今週は各組で大詰めを迎える
第36期竜王戦のランキング戦で賑わう将棋界ですが
昨日は3組で「郷田真隆九段-近藤誠也七段」の好カードが
準決勝で実現しました。
郷田九段の前期成績は
34戦13勝21敗(.382)。順位戦はB級1組で2勝10敗。
初戦白星の後、泥沼の7連敗を喫すると立て直しは利かず
最後も3連敗フィニッシュで無念のB級2組降級となりました。。
AIを用いた事前研究で勝負が決まる現代流の将棋の中で
誰よりも棋譜に拘りを持つ、居飛車の本格正統派はもがき苦しみながら
一つの光明を求めて今日も、戦いの最前線で己の刃を研ぎ澄まします。。
対します、近藤七段の前期成績は
47戦27勝20敗(.574)。順位戦はB級1組で8勝4敗。
開幕から4連敗とつまずくも、郷田九段とは対照的に後半から巻き返し
怒涛の8連勝フィニッシュで残留を決め、今期に弾みをつけました。
落ち着いた風貌と腰の据わった棋風で一目置かれる
近藤七段はまだ26歳。今後の将棋界を担うべき逸材には
タイトル戦線での活躍、そしてタイトル獲得が期待されます。。
気になる両者の対戦成績は、意外にも
ここまで4戦して郷田九段の4連勝と一方的な数字が残ります。
本局の先手は郷田九段。
互いに飛車先を突き越す出だしから戦型が「相掛かり」となると
郷田九段が機敏な仕掛けから相手の居玉目掛けて鋭く踏み込み
中盤で早々と攻防の主導権を握りました。。
一方、どこかに誤算があったか近藤七段は為す術なく
終盤戦でも見せ場を作れず、無念の投了となりました。。
今シーズンの開幕戦を快勝で飾った
無頼な剣豪・郷田九段が威風堂々、決勝戦進出を決めました。