本日は「鬼の棲みか」の決着戦。。第81期B級1組順位戦/最終戦「羽生九段-中村七段は角換わり」
本日の将棋界では
「鬼の棲みか」第81期B級1組順位戦の最終戦となる
13回戦が一斉対局にて行われています。。
今回はその中から
注目の「羽生善治九段-中村太地七段」の模様を
ご紹介させていただきます。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲羽生九段: なし
△中村七段: なし
本局の先手は羽生九段。
その初手は角道を開く▲7六歩から。。
対します、本局に勝利を収めれば
他の棋士の結果に関わらず、来期のA級昇格が決まる
中村七段は2手目に、飛車先を突く△8四歩と返して
対局はスタートとなりました。。
早々と居飛車を明示し
戦型の選択権を先手に委ねた後手に対して
羽生九段の意向が明かされる、次の3手目は。。
3手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲羽生九段: なし
△中村七段: なし
代えて▲6八銀なら「矢倉」もありましたが
羽生九段はノータイムで、3手目▲2六歩とし
「角換わり」での勝負を指向しました。。
9手目▲8八銀。
上図での持ち駒
▲羽生九段: なし
△中村七段: なし
中村七段も「角換わり」に異存はなく
定跡手順の進行で迎えた上図の局面で
羽生九段が銀を8筋に構えたのをみて。。
10手目△7七角成。
上図での持ち駒
▲羽生九段: なし
△中村七段: 角
中村七段はノータイムで角交換を敢行。。
手損のない「ノーマル角換わり」となりました。。
22手目△7三桂。
上図での持ち駒
▲羽生九段: 角
△中村七段: 角
角交換成立後
次なる焦点は攻撃の銀のポジショニングとなりますが
先手が銀を中央に厚い定番の「腰掛銀」を目指すのに対し
中村七段は自陣に留めたまま、先に桂馬を跳躍させます。。
手番の回った羽生九段が、次に
ほんの1分の少考で居玉を解除したのをみて(23手目▲6八玉)
中村七段は早くも手を止め、長考に入りました。。
24手目△6五桂。
上図での持ち駒
▲羽生九段: 角
△中村七段: 角
中村七段は1時間13分の大長考の末に
桂馬を6筋の戦場へと跳ね上げ、ここで仕掛けを決断。。
この局面で午前の対局は終了、お昼休憩に突入します。。
【 お昼のオーダー 】
羽生九段: かた焼きそば
中村七段: 豚バラ山かけ弁当
26手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲羽生九段: 角
△中村七段: 角
午後の対局開始の一手で
羽生九段が当たりの銀を8筋に引き下げると
中村七段はすかさず、自らの飛車先8筋の歩を突き合わせ
迷わず追撃を開始します。。
羽生九段はすぐに▲同歩と応じて、以下
△同飛に▲5八金~△4四角~▲6六角~△7六飛~
▲4四角~△同銀~▲8七角~△7五歩~▲2五歩~
△6六歩をみて、下図39手目▲7六角と進行。。
39手目▲7六角。
上図での持ち駒
▲羽生九段: 飛、歩
△中村七段: 角、歩2
羽生九段は前に出た相手の手に乗りながら
大駒を捌き、局面打開と切り返しを狙います。。
42手目△7七歩成。
上図での持ち駒
▲羽生九段: 飛、歩
△中村七段: 角2、歩2
中村七段が角を取り込んだ直後(40手目△7六同歩)
羽生九段は6筋の歩を後手の拠点である桂馬の頭上へ突き出し
後手からの攻めを呼び込んだのをみて、中村七段は歩を成り込み
一気呵成に終盤戦の幕が開きました。。
51手目▲6四歩。
上図での持ち駒
▲羽生九段: 飛、桂、歩
△中村七段: 角2、桂、歩3
直後に桂馬交換が成立すると
羽生九段は鋭く反撃に転じ、後手陣を乱しにかかった
上図の局面で、夜戦に備えて夕食休憩突入となりました。。
【 夕食のオーダー 】
羽生九段: カキフライ定食
中村七段: チキン山椒焼き弁当
羽生九段の今期ここまでの成績は
48戦31勝17敗(.646)。順位戦は5勝6敗で
すでに来期の残留決定。
中村七段の今期ここまでの成績は
32戦20勝12敗(.625)。順位戦は9勝2敗成績で
堂々のトップに立ち、本日の大一番に臨みます。。
気になる両者の対戦成績は
ここまで15戦して、羽生九段が10勝5敗とリード。。
現局面での形勢はまだ、互角。。
夕食休憩明けからのねじり合いが、実に
楽しみであります。