第8期叡王戦・本戦/2回戦「佐藤天九段-菅井八段を振り返ろう」
今回は月曜日(13日)に行われました
第8期叡王戦の挑戦者決定トーナメント/2回戦
注目の「佐藤天彦九段-菅井竜也八段」の模様を
振り返らせていただきます。。
2手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲菅井八段: なし
△佐藤九段: なし
本局の先手は菅井八段。
その初手は角道を開く▲7六歩から。。
対します、佐藤九段も2手目に同じく角道を開く
△3四歩と返し、対局はスタート。。
5手目▲4八飛。
上図での持ち駒
▲菅井八段: なし
△佐藤九段: なし
続く3手目に、6筋の歩を突き角道を止めた菅井八段は
佐藤九段が飛車先の歩を突いたのをみて(4手目△8四歩)
飛車に手をかけ6筋へと振り、王道の「四間飛車」を投入。。
戦型は期待通りの対抗形となりました。。
25手目▲1八香。
上図での持ち駒
▲菅井八段: なし
△佐藤九段: なし
互いに飛車のポジションが決まったところで
両者は呼吸を合わせながら慎重に玉の囲いを目指し
上図の局面で、菅井八段は1筋の香車を繰り上げ
堅くて遠い「穴熊」を明示しました。。
この手に対し、佐藤九段は
ジッと玉を2筋に寄せると(26手目△2二玉)
菅井八段が玉を「穴熊」に納めたのをみて。。
(27手目▲1九玉)
28手目△1二香。
上図での持ち駒
▲菅井八段: なし
△佐藤九段: なし
佐藤九段も同じく1筋の香車を一段繰り上げ
振り飛車の天敵である「穴熊」を明示しました。。
そのまましばらくは、双方
自陣の駒組みを進めるのかと、思われましたが。。
30手目△5六歩。
上図での持ち駒
▲菅井八段: なし
△佐藤九段: なし
後手が「穴熊」を明示した直後に
角道を開いた先手に対して(29手目▲6五歩)
佐藤九段は5筋の歩を突き出し強気に反発。。
両者の思惑が盤上で交錯します。。
49手目△5五銀。
上図での持ち駒
▲菅井八段: なし
△佐藤九段: 歩
菅井八段が銀を立て、角交換を拒むと(31手目▲6六銀)
佐藤九段は5筋の歩を取り込んでから自陣の駒組みを進め
玉回りを手厚く構えますが、菅井八段はその間に飛車を合わせた
5筋を拠点に戦場高く駒を積み上げ、臨戦態勢に入ります。。
上図から次に
佐藤九段がふわりと飛車を浮かせたのをみて。。
(50手目△8四飛)
51手目▲6四歩。
上図での持ち駒
▲菅井八段: なし
△佐藤九段: 歩
菅井八段は6筋の歩を突き出し
このタイミングで、先に仕掛けを開始します。。
佐藤九段はこの一手となる△同歩と応じて、以下
▲4五歩~△2二角~▲4四歩~△同歩~▲同銀に
△5二歩~▲4三歩~△同銀~▲同銀不成~△同金をみて
▲2二角成~△同金~下図65手目▲3一銀と進行。。
65手目▲3一銀。
上図での持ち駒
▲菅井八段: 角
△佐藤九段: 角、銀、歩3
振り飛車らしい捌きで敵陣へと踏み込んだ
菅井八段はそのまま畳みかけ、「穴熊」攻略を狙います。。
が、しかし。。
78手目△7四角。
上図での持ち駒
▲菅井八段: 金
△佐藤九段: 歩4
佐藤九段は弾力のある受けで突破を許さず。。
上図から次に角交換を成立させ、局面を収めると。。
104手目△1五香。
上図での持ち駒
▲菅井八段: 歩2
△佐藤九段: 歩2
先手の飛車をうまく抑え込みながら
佐藤九段は力を溜めつつ1筋の制空権を確保し
じわじわと攻防の主導権を掴みに行きます。。
しかし、菅井八段も怯むことなく
ここで飛車を後手の角頭に合わせると(105手目▲6七飛)
佐藤九段が香車を取り込んだのをみて(106手目△9九角成)
飛車を敵陣へ突進、攻め合いを求めました(107手目▲6一飛成)。。
114手目△1七同香成。
上図での持ち駒
▲菅井八段: 香、歩2
△佐藤九段: 銀、香、歩2
ここで引いたら負けと佐藤九段は、受けには回らず
握った手番で1筋から強く踏み込み勝負に出ますが。。
【 投了図・169手目▲2六香 】
投了図での持ち駒
▲菅井八段: 金、香、歩2
△佐藤九段: 銀、香、歩3
激しい攻め合いを制したのは、菅井八段でした。
自玉を敵の拠点である1筋から脱出させると、鋭く
上部に釣り上げた後手玉を仕留め上げ、上図の局面で
佐藤九段は万策尽き果て、無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後4時43分。
居飛車党の大物を下し、振り飛車の威厳を示した
菅井八段が颯爽と、ベスト4進出を決めました。。