第81期A級順位戦/6回戦「永瀬王座-佐藤九段を振り返ろう」
今回は、昨日行われました
第81期A級順位戦/6回戦の注目カード
「永瀬拓矢王座-佐藤康光九段」の模様を
振り返らせていただきます。
2手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: なし
△佐藤九段: なし
本局の先手は永瀬王座
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。。
対します、佐藤九段は2手目に角道を開く
△3四歩と返し、対局はスタート。。
6手目△8八角成。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: なし
△佐藤九段: 角
続く3手目に、永瀬王座が角道を開いたのをみて
9筋の端歩を突いた佐藤九段は、永瀬王座が受けて返した
次の瞬間、ズバリと「一手損角換わり」を敢行。。
12手目△2二飛。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 角
△佐藤九段: 角
角交換成立後
佐藤九段は銀を繰り上げ、3三の地点をカバーしてから
飛車に手をかけ、途中下車なしに2筋へと振る拘りの十八番
「康光流ダイレクト向かい飛車」を投入しました。。
23手目▲3七桂。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: なし
△佐藤九段: 角
互いに飛車のポジションが決まったところで
両者は息を合わせて玉の囲いを目指し、先手が桂馬を跳ねた
上図の局面で午前の対局は終了、お昼休憩突入となりました。。
【 お昼のオーダー 】
永瀬王座: キーマーカレー(大盛)、ホットコーヒー
佐藤九段: 肉豆腐山椒(糸こんにゃく)弁当、納豆
25手目▲2五歩。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: なし
△佐藤九段: 角
午後の対局開始の一手で
佐藤九段が金を立てたのをみて(24手目△3二金)
永瀬王座は4筋の少考で2筋の歩を突き合わせ
飛車先から仕掛けを開始しました。。
35手目▲3五歩。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 歩
△佐藤九段: 角
以下、△同歩~▲同飛の進行で歩交換が成立。
2筋の歩を切り、貴重な一歩を手持ちとした永瀬王座は
自陣の駒を盛り上げた後、淀みなく3筋から追撃します。。
佐藤九段は19分の考慮の末に△同歩と応じて
以下、▲3四歩~△4四歩~▲3三歩成~△同銀をみて
▲9五歩~△同歩~▲4五歩~△4三金~▲5六銀に
下図46手目△5四金と進行。。
46手目△5四金。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 桂
△佐藤九段: 角、歩3
淡々と歩を突き捨てて模様を動かす先手に対して
佐藤九段が戦場へ金を繰り上げ迎撃態勢に入った
上図の局面で、夜戦に備えて夕食休憩に突入。。
【 夕食のオーダー 】
永瀬王座: うな重(梅)、肝吸い
佐藤九段: うな重セット(赤だし)
55手目▲5四桂。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 金
△佐藤九段: 角、歩4
しかし、夕食休憩が明けても盤上の流れは変わらず。。
手が伸びる永瀬王座は上図でしなやかに桂馬を跳ね上げ
まずは金を捕獲すると。。
59手目▲5三桂。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 金
△佐藤九段: 角、桂、歩4
歩を突き立てられて右の桂馬を連続跳躍。。
後手に手番を渡さず悠々と敵陣へと到達させて
一方的に終盤戦の幕を開きます。。
79手目▲7三香。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 飛、金、歩
△佐藤九段: 角、金、歩4
終盤戦も永瀬王座の独壇場。。
大駒、小駒を自由自在に操りながら
問答無用の寄せに入りました。。
【 投了図・95手目▲8三金 】
投了図での持ち駒
▲永瀬王座: 飛、金、銀、歩
△佐藤九段: 角、金、桂2、香、歩4
佐藤九段は必死に食らいつきますが
途切れることのない先手の猛攻を前に為す術なく
上図の局面で無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後11時29分。
序盤から一本の線のように手をつなぎ完勝を飾った
永瀬王座は順位戦成績を4勝2敗としました。。
一方、見せ場なく敗れた佐藤九段は
順位戦開幕6連敗となり、厳しい戦いが続きます。。