本日は第８１期Ａ級順位戦/５回戦「豊島九段－菅井八段は対抗形のねじり合い」
本日の将棋界では
第８１期順位戦のうち、最高峰のＡ級の５回戦
「豊島将之九段－菅井竜也八段」の好カードが
西の聖地・関西将棋会館にて行われています。。
２手目△３四歩。
上図での持ち駒
▲菅井八段： なし
△豊島九段： なし
本局の先手は菅井八段。
その初手でいきなり中央５筋の歩を突き
代名詞である振り飛車投入を示唆しました。。
対します、豊島九段は２手目に
△３四歩と角道を開き、戦型に含みを持たせて
対局をスタートしますが。。
４手目△８四歩。
上図での持ち駒
▲菅井八段： なし
△豊島九段： なし
続く３手目に、菅井八段が飛車に手をかけ
歩を突いた５筋へと振り、「中飛車」に構えたのをみて
豊島九段はすぐさま飛車先を突き、居飛車を明示。。
戦型は期待通りの「対抗形」となりました。。
１３手目▲２八玉。
上図での持ち駒
▲菅井八段： なし
△豊島九段： なし
双方、飛車のポジションが決まったところで
両者は息を合わせて居玉を解除し、玉の囲いを目指します。。
２１手目▲６六銀。
上図での持ち駒
▲菅井八段： なし
△豊島九段： なし
しかし、囲いをがっちり決める前に
後手に続けて先手も銀を６筋の戦場へと繰り出し
この形ではおなじみの「銀対抗」形を描き出します。。
２７手目▲１八香。
上図での持ち駒
▲菅井八段： なし
△豊島九段： なし
両者は銀を拠点に重心低く駒組みを進め
菅井八段は上図の局面で、１筋の香車を繰り上げ
堅くて遠い「穴熊」を明示しました。。
３２手目△９四歩。
上図での持ち駒
▲菅井八段： なし
△豊島九段： なし
午前の対局は上図３２手目まで進行。。
菅井八段が「穴熊」に玉を納めたのをみて（３１手目▲１九玉）
豊島九段が反対サイドの端歩を突き、間合いを計った局面で
昼食休憩突入とました。。
【 昼食のオーダー 】
菅井八段： サービスランチ（珍豚美人）
豊島九段： 親子丼、温かいそばのセット
午後の対局開始の一手で
菅井八段が「銀のハッチ」を閉じずに、離れ駒の金を連結。。
自陣をジッと引き締め、手番を渡すと（３３手目▲５八金左）。。
３４手目△６五銀。
上図での持ち駒
▲菅井八段： なし
△豊島九段： なし
豊島九段は３０分、時間を費やし読みを入れてから
向かい合う６筋の銀をぶつけて、仕掛けを開始しました。。
菅井八段は▲７五歩（３５手目）と反発して、以下
△同歩～▲同銀～△７四歩～▲５四歩～△７五歩をみて
▲１一角成～△２二銀～▲１二馬～△３三角に▲１五歩～
△同歩～下図４７手目▲５三歩成と進行。。
４７手目▲５三歩成。
上図での持ち駒
▲菅井八段： 香、歩２
△豊島九段： 歩
銀を捨てて角を成り込んだ
菅井八段は１筋を争点とすると、５筋の歩を突き越し
来たるべき開戦へ向け模様を動かします。。
５６手目△９九角成。
上図での持ち駒
▲菅井八段： 銀、香、歩
△豊島九段： 角、歩２
一方、豊島九段は銀との交換で先手の馬を消してから
自らの角を敵陣へ成り込み、素早く反撃の拠点を作ります。。
６０手目△５七歩。
上図での持ち駒
▲菅井八段： 銀、香、歩
△豊島九段： 角、歩２
菅井八段が「と」金で払った桂馬をすかさず投入し
馬の退路を断ったのをみて（５９手目▲６六桂）、豊島九段は
５９分の長考の末、５筋に一発叩きを入れた上図の局面で
夜戦に備えて、夕食休憩突入となりました。。
【 夕食のオーダー 】
菅井八段： 天とじ丼
豊島九段： カレー定食、うどん
現局面は攻めている分だけ後手良さ気に見えますが。。
果たして、振り飛車党の若き旗頭・菅井八段の切り返しやいかに。。
夕食休憩明けからの終盤戦が実に、楽しみであります。。