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ド迫力のねじり合い。。第４３期ＪＴ杯/２回戦「名人下し、斎藤八段が準決勝進出」
本日、熊本県にて行われました
第４３期ＪＴ杯将棋日本シリーズ/２回戦
注目の「渡辺明名人－斎藤慎太郎八段」は
振り駒の結果、先手は斎藤八段に決定。。
斎藤八段の初手は飛車先を突く▲２六歩から。。
対します、渡辺名人も２手目に同じく飛車先を突く
△８四歩と返し、対局はスタート。。
４手目△８五歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： なし
△渡辺名人： なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決め
まずは「相掛かり」の出だしとなりますが。。
９手目▲８八銀。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： なし
△渡辺名人： なし
そこから「角換わり」を目指す定跡手順へと進行。。
迎えた上図の局面で、斎藤八段は銀を８筋へと開き
後手からの角交換を注文しました。。
この手に対し、渡辺名人は。。
１０手目△７七角成。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： なし
△渡辺名人： 角
注文通りに角交換を敢行。。
手損のない「ノーマル角換わり」となりました。。
２０手目△６三銀。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 角
△渡辺名人： 角
角交換成立後
両者は呼吸を合わせて銀を中央へと繰り出す動きをみせ
「ノーマル角換わり」の定番である「腰掛銀」を目指します。。
３２手目△５四銀。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 角
△渡辺名人： 角
先に形を決めたのは、渡辺名人。。
先手の９筋の打診を受けずに（３１手目▲９六歩）
銀を５筋の戦場へ繰り出し、「腰掛銀」に構えました。。
３７手目△５四銀。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 角
△渡辺名人： 角
一方の斎藤八段は９筋の位を確保すると
玉を立て、「中住まい」に構えてから（３５手目▲５八玉）
同じく銀を中央５筋の戦場へと繰り出し、戦型はおなじみ
「角換わり相腰掛銀」となりました。。
４１手目▲４五歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 角
△渡辺名人： 角
戦型が決まったところで
名人が手堅く玉の「入城」を果たしたのをみて（４０手目△２二玉）
斎藤八段は４筋の歩を突き合わせ、先に仕掛けを開始します。。
４８手目△６五歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 角
△渡辺名人： 角、歩
先手の仕掛けに対し、渡辺名人は
機敏に飛車を争点となった４筋に合わせると（４２手目△４一飛）
銀・桂の利きが重なる６筋の歩を突き越し、拠点を作りました。。
ここで手番の回った
斎藤八段がジッと玉の「入城」を果たしたのをみて。。
５８目△８五桂。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 角、歩２
△渡辺名人： 角、歩
しばし間合いを計った後
名人は飛車を再び８筋に戻すと、その先へ桂馬を跳躍。。
模様を広く抜け目なく、反撃に転じます。。
７８目△９六角。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 香
△渡辺名人： 歩２
そのまま開戦となると
斎藤八段は機敏に成り込んだ馬を起点に飛車を攻めますが
渡辺名人は根気よくかわしながら、小駒で制空権を確保すると
９筋の端に角を投入し、一気呵成に終盤戦の扉を開きます。。
１１７目▲３四桂。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 角、桂、歩３
△渡辺名人： 銀３、歩２
名人の途切れることのない攻めにさらされながらも
粘り強く凌ぎ、機をみて丁寧に後手陣を乱した斎藤八段は
あくまでも標的に定めた飛車めがけて桂馬を高らかに跳躍。。
一歩も引かない指し回しで、名人からの勝利を狙います。。
１５３目▲９四玉。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 桂２、歩５
△渡辺名人： 銀、香
両雄の意地と読みが激しく盤上で火花を散らす
ド迫力の攻防戦を潜り抜け、先手玉は上部脱出に成功。。
１６４目△８五銀打。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 金２、歩６
△渡辺名人： 歩
一方、二枚の龍に自陣を制圧させ
退路を断たれた渡辺名人も、強引に先手玉へ迫りつつ
玉の上部脱出を狙いますが。。
【 投了図・１７７手目▲８四同玉 】
投了図での持ち駒
▲斎藤八段： 金２、銀、歩６
△渡辺名人： 銀、桂、香、歩
斎藤八段は後手玉を逃すことなく仕留め切り
上図の局面で、渡辺名人は無念の投了を告げました。。
ともに１分将棋に突入した
ハイレベルなねじり合いを見事に制した斎藤八段が
名人戦の借りを一つ返し、準決勝進出を決めました。。