第93期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負/第4局「終局直後」
【 投了図・104手目△2六桂 】
投了図での持ち駒
▲永瀬王座: 飛、角、銀、桂、香、歩5
△藤井棋聖: 金、銀、歩
昨日、決着をみました
第93期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負/第4局は
上図104手までで、後手・藤井棋聖が勝利。
終局時刻は午後6時30分。
開幕戦黒星の後、怒涛の3連勝で王座を圧倒した
藤井棋聖がこの瞬間、棋聖戦3連覇を達成しました。。
【 終局直後 】
藤井棋聖
―本局を振り返って
序盤から前例の少ない展開になったのですが
こちらがこの形にするとまとめ方が難しいのかなと
思ってやっていました。
そのあと
飛車交換(55手目▲8六同歩)で終盤に入ったのですが
こちらの玉が薄い形が続いたので、形勢が分からないまま
指している局面が多かったと思います。
55手目△8六同歩。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 飛、歩4
△藤井棋聖: 飛、歩
―終盤で手応えを感じたのは
△3六銀(86手目)と出たところで
こちらの玉が寄らなければと思いました。
86手目△3六銀。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 金、歩6
△藤井棋聖: 銀、香
―今シリーズを総括して
第1、2局とかなり苦しい展開が続いて
厳しいシリーズだったかと思います。
―10代最後の公式戦勝利だった。
棋聖3連覇を含めて感想を
結果が出せたのはよかったのですが
やっぱり厳しい戦いだったと思うので、そこはしっかり
振り返らなくてはいけないなと思います。
永瀬王座
―本局を振り返って
▲9七桂(39手目)がやりすぎだったかもしれないので
▲9三桂成(45手目)のところはさらに被害を拡大してしまったかも
しれません。早い段階でかなり厳しくなってしまったような気がします。
45手目▲9三桂成。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 金、歩6
△藤井棋聖: 銀、香
―一般的に攻めに使う右桂でなく、▲9七桂と左桂を活用した
考えていて違和感はなかったのですが……。 ただ
△4五銀(40「手目)から自然に押さえ込みにこられたときにこちらが
どのくらい駒をぶつけていけるかだと思ったのですが、それが少し
難しかったので、▲9七桂が無理だったかもしれません。
40手目△4五銀。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 歩3
△藤井棋聖: なし
―今シリーズの総括を
先手番で1勝もすることができなかったので
それが課題なのかと思いました。本局だと途中でかなり
厳しくなってしまったので、もう少し勝機の残る形にしないと
いけなかったかと思います。
―棋聖は2度目の挑戦失敗だった
お相手が違うのでアレですが
結果が出せなくて残念だなと思います。