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第８０期名人戦７番勝負/第４局・一日目「AI流の超攻防戦。。斎藤八段が封じ手」
３連覇を目指す渡辺明名人に
２年連続挑戦者に名乗りを上げた関西の新若大将
斎藤慎太郎八段が挑戦する第８０期名人戦７番勝負。
ここまで３局を消化し、渡辺名人が２勝１敗とリード。
シリーズも後半戦に突入する正念場の第４局が、本日より
山口県山口市「名勝 山水園」にて運命の幕を開きました。。
第４局の先手は斎藤八段。
前局で飾った大逆転勝利を追い風にしたい
本局の初手は飛車先を突く▲２六歩から。。
２手目△８四歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： なし
△渡辺名人： なし
対します、渡辺名人も２手目に同じく
飛車先を突く△８四歩と返し、対局はスタート。。
４手目△８五歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： なし
△渡辺名人： なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決め
注目の戦型は現代の主役「相掛かり」となりました。。
１０手目△３四歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： なし
△渡辺名人： なし
互いに角頭を金で受け、飛車の横に銀を立てる
おなじみの同形模様の出だしから、次に斎藤八段が
９筋の端歩を突いたのをみて、渡辺名人は追随せずに
ここで手を変え３筋の歩を突き、角道を通しました。。
この手に対し、斎藤八段は。。
１１手目▲２四歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： なし
△渡辺名人： なし
１分の少考で気息を整えた後
自らの飛車先２筋の歩を突き合わせました。。
１４手目△８六歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 歩
△渡辺名人： 歩
以下、△同歩～▲同飛の進行で歩交換が成立すると
渡辺名人は突進して来た先手の飛車先を受けることなく
返す刀で自らの飛車先８筋の歩を突き合わせます。。
１９手目▲２八飛。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 歩
△渡辺名人： 歩２
同じ手順で８筋でも歩交換が成立。
斎藤八段は後手の飛車先へ歩を投入し（１７手目▲８七歩）
８筋を穏便に収めると、名人が飛車を８四の地点に引いたのをみて
自らの浮き飛車を元居た場所まで引き下げ、安定化を図ります。。
ここで手番の回った
渡辺名人がノータイムで角頭のキズを消すと（２０手目△２三歩）
局面は落ち着き、両者は再び自陣の駒組みに取り掛かります。。
３３手目▲３七桂。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 歩
△渡辺名人： 歩
双方、完全に予定通りの進行なのか。。
一日目の午前中から両者は早いテンポでどんどん指し進み
斎藤八段は玉を立て、「中住まい」に構えてから（３１手目▲５八玉）
右の桂馬を跳ね上げ、淀みなく仕掛けに向けて力を溜めます。。
４１手目▲４五歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 歩
△渡辺名人： 歩
互いに角道を通したまま駒組みは進行。。
上図で４筋の歩を突き越し、位を張った斎藤八段は
次に、渡辺名人が玉を５筋に寄せたのをみて。。
（４２手目△５二玉）
４３手目▲２二角成。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 角、歩
△渡辺名人： 歩
５分の考慮でズバリと角交換を敢行。。
駒組みの負担になりそうな角をここで捌きました。。
４７手目▲８八角。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 歩
△渡辺名人： 角、歩
角交換成立後
銀を６筋に上げ自陣を引き締めた（４５手目▲６八銀）
斎藤八段は名人が６筋の歩を突き越したのをみて
手にしたばかりの角を８八の地点へ再投入。。
この局面で、渡辺名人が長考に入り
そのまま午前の対局は終了、お昼休憩に突入します。。
【 お昼のメニュー 】
斎藤八段： 西京はもまぶし（お吸い物、小鉢付き）
渡辺名人： 海鮮丼（さび抜き。お吸い物付き）
午後の対局開始の一手で
午前に４３分、時間を費やし読みを入れた渡辺名人は
歩を突いた６筋に銀を立てると（４８手目△６三銀）。。
５０手目△３三銀。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 歩
△渡辺名人： 角、歩
先手が▲５七銀（４９手目）と高く構えたのをみて
渡辺名人も左の桂馬を３筋に繰り上げ、臨戦態勢へ。。
すると、次の瞬間
５１手目▲３五歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 歩
△渡辺名人： 角、歩
斎藤八段は４１分の長考の末に
３筋の歩を突き合わせ、仕掛けを決断しました。。
渡辺名人はすぐに△同歩（５２手目）と応じて、以下
▲３四歩～△同銀～▲１一角成～△３三桂～▲１二馬～
△６三玉に▲８六歩～△同飛～▲２一馬～△４二金をみて
▲３一馬～下図６４手目△５三銀と進行。。
６４手目△５三銀。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 香
△渡辺名人： 角、歩４
先手の仕掛けに、あっさりと
名人は馬作りを許し、盤上は一気にヒートアップ。。
斎藤八段が攻め、渡辺名人が手に乗る形で進行し
渡辺名人は金取りを阻止しつつ玉回りを引き締めた
上図の局面で、終了時刻となる午後６時３０分を迎え
斎藤八段が次の手を封じて一日目は終了となりました。
激しい展開をみせると、現局面の形勢は互角とのこと。。
果たして、事前研究は万全に思われる両雄の見立てやいかに。。
明日は決着の二日目、開始直後から目が離せません。。