竜王、鋭く切り返し。。第80期B級1組順位戦/12回戦「藤井竜王-阿久津八段は横歩取り」
本日行われています
「鬼の棲みか」第80期B級1組順位戦/12回戦の大一番
「藤井聡太竜王-阿久津主税八段」は、関西将将棋会館にて。。
2手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲藤井竜王: なし
△阿久津八段: なし
本局の先手は藤井竜王。
A級昇格の可能性のある本局の初手は
飛車先を突く▲2六歩から。。
対します、阿久津八段は2手目に
角道を開く△3四歩と返し、対局はスタート。。
6手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲藤井竜王: なし
△阿久津八段: なし
続く3手目に、藤井竜王が角道を開けると
阿久津八段は飛車先を突く、まずは互い違いの出だしで
相居飛車が確定すると、次に両者は息を合わせて
飛車先を決め、いざ「横歩取り」を目指します。。
14手目△8六同飛。
上図での持ち駒
▲藤井竜王: 歩2
△阿久津八段: 歩2
互いに角頭を金で受け、飛車先の歩を交換する
おなじみの同形模様の進行から、迎えた上図の局面で
藤井竜王は2筋に浮いた飛車に手をかけると。。
15手目▲3四飛。
上図での持ち駒
▲藤井竜王: 歩3
△阿久津八段: 歩2
ノータイムで、お隣り3筋の歩をかすめとり
戦型は城跡通りに「横歩取り」に決定しました。。
18手目△8二飛。
上図での持ち駒
▲藤井竜王: 歩3
△阿久津八段: 歩2
3筋に回った先手の飛車先を
阿久津八段は角で受けると(16手目△3三角)
藤井竜王が玉を立て、「中住まい」に構えたのをみて
飛車を元居た場所まで引き下げました。。
この手に対し
藤井竜王が2分の少考で3筋の歩を突くと。。
(19手目▲3六歩)
20手目△2六歩。
上図での持ち駒
▲藤井竜王: 歩3
△阿久津八段: 歩
阿久津八段は決めていた作戦と、ノータイムで
2筋に歩を垂らし、先手の駒組みを制限します。。
26手目△7二銀。
上図での持ち駒
▲藤井竜王: 歩2
△阿久津八段: 歩
後手の作戦を前にして
藤井竜王は慎重に時間を使いながら駒組みを進め
飛車を3筋の歩の上に腰掛けてから、角頭に歩を打ち
攻守のバランスを整えます。。
一方の阿久津八段は
居玉を解除し玉を4筋に構えてから、銀を立て
自陣の右側に「美濃囲い」を築いた、上図の局面で
午前の対局は終了、お昼休憩に突入します。。
【 お昼のオーダー 】
藤井竜王: 彩り野菜とチャナ豆の南インド風ベジタブルカレー
阿久津八段: 山椒ポークカレー・大盛り、パッションフルーツラッシー
28手目△8八角成。
上図での持ち駒
▲藤井竜王: 歩2
△阿久津八段: 角、歩
午後の対局開始の一手で
藤井竜王が桂馬を跳ねたのをみて(27手目▲3七桂)
阿久津八段は43分の長考の末に、角交換を敢行。。
駒組みの負担になりがちな角をここで捌きます。。
30手目△4四角。
上図での持ち駒
▲藤井竜王: 角、歩2
△阿久津八段: 歩
飛び込んで来た後手の角を
藤井竜王が▲同銀(29手目)で払うと
阿久津八段は手にしたばかりの角をすぐに活用。。
先手の飛車に当て、積極果敢に局面を動かします。。
藤井竜王は▲6五飛(31手目)とかわして、以下
△8四飛~▲7七角~△3三桂に▲4四角~△同飛~
▲2八歩~△8四飛~▲7七桂~△1四歩~▲5五飛~
△1五歩をみて、下図43手目▲7五角と進行。。
43手目▲7五角。
上図での持ち駒
▲藤井竜王: 歩
△阿久津八段: 角、歩
前に出た後手に対して
藤井竜王は冷静に、二度目の角交換で切り返すと
飛車のポジションを整えてから、阿久津飛車目掛けて
お返しの角を投入し、中央突破を狙います。。
この手に対し、阿久津八段が11分の考慮で
飛車を6筋に回した局面で(44手目△6四飛)
夜戦に備えて夕食休憩に突入します。。
【 夕食のオーダー 】
藤井竜王: 五目焼きそば、キクラゲ抜き
阿久津八段: サバの南蛮酢弁当
後手は拠点の飛車が体を張って
中央突破を防いだ形ですが、いかにも苦しく
形勢は先手良さ気。。
A級昇格争いのゆくえともども
夕食休憩明けからの終盤戦に期待が高まります。。
表紙は藤井竜王と渡辺王将!
将棋世界の最新号/3月号、本日発売!!