第42回JT杯将棋日本シリーズ/準決勝「200手超えの死闘、豊島竜王が制す」
本日、大阪にて行われました"竜・名"戦
注目の第42回JT杯将棋日本シリーズ/準決勝
「豊島将之竜王-渡辺明名人」は、振り駒の結果
先手は豊島竜王に決定。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: なし
△渡辺名人: なし
豊島竜王の初手は飛車先を突く▲2六歩から。。
対します、渡辺名人も2手目に同じく飛車先を突く
△8四歩と返し、対局はスタートとなりました。。
9手目▲6八銀。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: なし
△渡辺名人: なし
互いに居飛車を明示する出だしから
いざ、「角換わり」を目指す定跡手順の進行となり
迎えた上図の局面で、豊島竜王は銀を6筋に繰り上げ
後手からの角交換、あるいは角交換拒否に備えます。。
この手に対し、渡辺名人は次に。。
10手目△7七角成。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: なし
△渡辺名人: 角
ズバリと角交換を敢行。。
手損のない「ノーマル角換わり」となりました。。
22手目△5四銀。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: 角
△渡辺名人: 角
角交換成立後
次なる争点は攻撃の銀のポジショニングとなりますが
豊島竜王が「早繰り銀」に構えたのをみて(21手目▲4六銀)
渡辺名人はすかさず銀を5筋に繰り出し「腰掛銀」を採用。。
25手目▲3五歩。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: 角
△渡辺名人: 角
銀の形が決まると、ほどなく
豊島竜王は駒組みの完成を待たずに
3筋から仕掛けを開始ました。。
29手目▲5五銀。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: 角、歩
△渡辺名人: 角、歩
3筋の歩を取り込んだ豊島竜王は
上図で銀を天王山・5筋の位へ繰り上げると
次の△5二金(30手目)をみて。。
31手目▲6四銀。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: 角、歩2
△渡辺名人: 角、歩
6筋の歩をかっさらい
さらに銀を前方へと繰り出しました。。
が、しかし。。
37手目▲4六銀。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: 角、歩2
△渡辺名人: 角、歩
名人が飛車を6筋に合わせると(34手目△6二飛)
豊島竜王は銀を躊躇無く、4筋の歩の上まで引き下げ
ここで局面は落ち着き、双方自陣の駒組みを進めます。。
63手目▲6七金右。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: 角、歩
△渡辺名人: 角
互いに相手の出方をうかがいながら
入念かつ慎重な駒組みがじっくりじっくりと進行し
上図の局面で、先手も「矢倉囲い」を完成。。
自陣の駒が組み上がってもなお
両者はパスを繰り返し、相手からの仕掛けを待つ
ナーバスな駆け引きがしばらく続きますが。。
74手目△9四歩。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: 角、歩
△渡辺名人: 角
重苦しい均衡を破ったのは、渡辺名人でした。。
上図で9筋の端歩を突き合わせ、仕掛けを決断します。。
豊島竜王は▲同歩(75手目)と応じて、以下
△7五歩~▲同歩~△5五歩に▲9三歩成~△3五歩~
▲9五角~△5四飛~▲7三角成~△3六歩~▲5五歩~
△5三飛をみて、下図87手目▲9一馬と進行。。
87手目▲9一馬。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: 桂、香、歩4
△渡辺名人: 角、歩
後手からの仕掛けは願ったり叶ったりだったか。。
豊島竜王は反撃しながら9筋を制圧すると。。
119手目▲8四玉。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: 飛、角、桂、香、歩4
△渡辺名人: 桂2、香、歩
名人の猛攻を何とか凌ぎながら
豊島竜王は玉を上部へ脱出、入玉を狙います。。
162手目△2五玉。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: 歩4
△渡辺名人: 金2、銀、桂、香、歩3
豊島竜王は敵陣トライを達成し、自玉は磐石に。。
こうなると渡辺名人も自玉の敵陣トライを決めて
「持将棋」に持ち込めるかの勝負となりますが。。
【 投了図・215手目▲8八龍 】
投了図での持ち駒
▲豊島竜王: 飛、銀3、桂、香、歩6
△渡辺名人: 金、桂、香2、歩6
渡辺名人は玉の入玉こそ果たすも、点数が足らず。。
粘りに粘りましたが、上図の局面でついに万策尽き果て
無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後5時39分。
研ぎ澄まされた集中力で200手を超える激闘を制した
豊島竜王がJT杯連覇を目指し、決勝戦進出を決めました。。