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第２９期銀河戦・Ｈブロック/１１回戦「藤井三冠－佐々木七段を振り返ろう」
今回は昨日初回放送されました
第２９期銀河戦・Ｈブロック/最終戦の好カード
「藤井聡太三冠－佐々木勇気七段」の模様を
振り返らせていただきます。
２手目△８四歩。
上図での持ち駒
▲藤井三冠： なし
△佐々木七段： なし
本局の先手は藤井三冠
その初手は飛車先を突く▲２六歩から。。
対します、佐々木七段も２手目に同じく飛車先を突く
△８四歩と返し、対局はスタート。。
４手目△８五歩。
上図での持ち駒
▲藤井三冠： なし
△佐々木七段： なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決め
戦型は現代将棋の中心「相掛かり」となりました。。
１２手目△１四歩。
上図での持ち駒
▲藤井三冠： なし
△佐々木七段： なし
いかに時代の最先端を行く両者とはいえ
互いに角頭を金で受け、飛車の横へ銀を立てる
おなじみの定跡手順をまずはしっかりと踏襲。。
さらに、両者は息を合わせて９筋の端歩を突くと
藤井三冠が居玉を解除したのをみて（１１手目▲６八玉）
佐々木七段は追随せずに１筋の端歩を突きました。。
この手をみて
藤井三冠が３筋の歩を突くと（１３手目▲３六歩）。。
１４手目△８六歩。
上図での持ち駒
▲藤井三冠： なし
△佐々木七段： なし
佐々木七段は８筋の歩を突き合わせ
飛車先での歩交換を先に敢行します。。
１９手目▲２四歩。
上図での持ち駒
▲藤井三冠： 歩
△佐々木七段： 歩
以下、▲同歩～△同飛の進行で歩交換が成立すると
藤井三冠は突進してきた後手の飛車先はそのままに
飛び道具の桂馬を跳躍させてから（１７手目▲３七桂）
自らの飛車先２筋の歩を突き合わせました。。
２７手目▲７六歩。
上図での持ち駒
▲藤井三冠： 歩３
△佐々木七段： 歩
同じ手順で２筋でも歩交換が成立。。
佐々木七段は穏やかに収めますが（２２手目△２三歩）
藤井三冠は飛車を引かずに７筋の歩をかすめとってから
飛車が真下を支える形でそつなく角道を開きました。。
４７手目▲７八銀。
上図での持ち駒
▲藤井三冠： 歩２
△佐々木七段： 歩
歩得を確定させた藤井三冠が飛車を２筋に戻し
さらに自陣最下段まで引き下げると（３７手目▲２九飛）
局面を落ち着き、両者は自陣の駒組みに取り掛かります。。
大駒を待機させ、全軍活用を目指す藤井三冠は
上図の局面で、銀を立てで玉回りを引き締めました。。
すると、次の瞬間
４８手目△７五歩。
上図での持ち駒
▲藤井三冠： 歩２
△佐々木七段： なし
佐々木七段は飛車を構えた７筋で
歩を突き合わせ、仕掛けを開始します。。
５１手目▲７六歩。
上図での持ち駒
▲藤井三冠： 歩２
△佐々木七段： 歩
藤井三冠は▲同歩と応じてから
佐々木七段が銀を前に出したのをみて（５０手目▲同銀）
手厚く歩を打ち込み、後手の態度を訪ねますが。。
５２手目△同銀。
上図での持ち駒
▲藤井三冠： 歩２
△佐々木七段： 歩２
佐々木七段はここ勝負と銀を突き出し
強く意識する神童へ、いざ開戦をけしかけました。。
藤井三冠は▲同金（５３手目）と応じて、以下
△同飛に▲２四歩～△同歩～▲２五歩～△３一角～
▲２四歩～△２二歩～▲４五歩～△５三角～▲６六角をみて
△３三桂～▲４四歩～▲同金～下図６７手目▲４五歩と進行。。
６７手目▲４五歩。
上図での持ち駒
▲藤井三冠： 銀、歩
△佐々木七段： 金、歩３
金・銀交換成立直後に
藤井三冠はここも後手の飛車先を受けることなく
握った手番でテキパキと攻め手を繋いで後手陣を乱すと
飛車・角に桂馬が連動、攻防の主導権を奪いました。。
先手の反撃を前にして
その間に角のラインを変えた佐々木七段は
狙われた金を前に出し、先手の角を標的とします。。
（６８手目△５五金）
が、しかし。。
７１手目▲６二角成。
上図での持ち駒
▲藤井三冠： 角、銀、歩
△佐々木七段： 金、歩３
それも予定通りとばかりに
藤井三冠は涼しげに角を敵陣へと飛び込ませ
一方的に終盤戦の幕を開きました。。
８４手目△６六桂。
上図での持ち駒
▲藤井三冠： 銀、桂、歩２
△佐々木七段： 角、金、歩２
そのまま寄せに入った藤井三冠に対し
苦しくなった佐々木七段はそれでも機をみて反撃に転じ
闘志全開、勝利への執念を燃やしますが。。
【 投了図・１０５手目▲６五同歩 】
投了図での持ち駒
▲藤井三冠： 銀、桂２、歩
△佐々木七段： 金、桂、歩４
藤井三冠は攻守に磐石。。
佐々木七段につけ入る隙を一切与えず盤上を制圧し
上図の局面をみて、佐々木七段はついに万策尽き果て
無念の投了を告げました。。
精度の高い研究と圧倒的な終盤力をみせつけた
藤井三段が威風堂々、決勝トーナメント進出を決めました。