第62期王位戦7番勝負/第5局「終局直後~藤井王位、かく語りき」
【 投了図・77手目▲9七同香 】
投了図での持ち駒
▲藤井王位: 歩2
△豊島竜王: 桂、歩
昨日、決着をみました
第62期王位戦7番勝負の大一番/第5局は
上図77手までで、先手・藤井王位が勝利。
均衡を保った繊細な駒組みから開戦となるも
豊島竜王の疑問手でそれまでの流れは一変。。
アヤのない終盤戦を藤井王位が圧倒しました。。
終局時刻は午後4時47分。
急転直下の圧勝を飾った藤井王位が、この瞬間
番勝負を4勝1敗で制し、見事初防衛を達成しました。。
【 終局直後 】
藤井王位
── 本局は▲7六歩(27手目)で
ご自身の前例を離れました。
27手目▲7六歩。
上図での持ち駒
▲藤井王位: 歩3
△豊島竜王: 歩
そうですね。
代えて▲8七歩も読んだのですが、本譜は
▲7六歩と突いてみようかなと。
── ▲7四歩(41手目)は2時間超えの長考でした。
41手目▲7四歩。
上図での持ち駒
▲藤井王位: 歩2
△豊島竜王: なし
7筋、8筋の辺りが
こちらの厚みになるかキズになるかが際どく
考えても分からない変化が多かったです。
── 1日目の形勢はどのように見ていましたか。
△4二玉(42手目)に5八金と上がったのですが
単に▲7七銀とかで、もっと強くいく必要があったかなと。
本譜は△4四角と上がられると次の△3三桂を防ぐのが
難しくて少し損をしてしまったかなと思いました。
43手目▲5八金。
上図での持ち駒
▲藤井王位: 歩2
△豊島竜王: なし
本譜は結果的に
▲8八歩と受ける形になったので
あまりうまくいっていないのかな、という印象でした。
── ▲9七桂(51手目)と跳ねた局面は。
51手目▲9七桂。
上図での持ち駒
▲藤井王位: 歩
△豊島竜王: 歩
▲9七桂に△6六銀と取り合う変化で
こちらの玉が寄らなければ、飛車を取れるのが
大きいのかなと思っていました。
── 途中で銀得になりました。
駒得なので指せるかなとは思ったのですが
▲9七桂と跳ねた形がキズなので見通しが立っている
わけではなかったです。
── 後手から端攻めをされたあと
飛車角交換になった辺りは。
▲8二飛(65手目)と先手で打つ形になったので
その辺りはこちらの主張が多いのかなと思いました。
65手目▲9七桂。
上図での持ち駒
▲藤井王位: なし
△豊島竜王: 歩4
── 全体的に振り返って。
途中、かなり長考した場面がありましたがその辺りで
どう指すか分からなくて難しい将棋だったと思います。
── 4勝1敗で王位防衛となりました。シリーズを振り返って。
勝った将棋も苦しい場面が多かったので
内容的には押されていたと思います。
今回の番勝負で自分の足りない部分も見つかったので
今後に生かしたいと思います。