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今期も一人旅？！。。第８０期Ａ級順位戦/3回戦「広瀬八段－斎藤八段を振り返ろう」
今回は昨日行われました
第８０期順位戦の最高峰・Ａ級の３回戦
「広瀬章人八段－斎藤慎太郎八段」の模様を
振り返らせていただきます。。
２手目△８四歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： なし
△広瀬八段： なし
本局の先手は関西の新若大将・斎藤八段。
その初手は飛車先を突く、拘りの▲２六歩から。。
対します、北海道が生んだ優駿・広瀬八段も２手目に
同じく飛車先を突く△８四歩と返し、対局はスタート。。
４手目△８五歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： なし
△広瀬八段： なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決め
まずは「相掛かり」の出だしとなりますが。。
９手目▲８八銀。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： なし
△広瀬八段： なし
そこから「角換わり」を目指す定跡手順の進行となり
迎えた上図の局面で、斎藤八段は銀を６筋へ絞らずに
８筋へ開いて構え、後手からの角交換を注文しました。。
この手に対し
広瀬八段は１分の少考で。。
１０手目△７七角成。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： なし
△広瀬八段： 角
注文通りに角交換を敢行。。
手損のない「ノーマル角換わり」となりました。。
１５手目▲１五歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 角
△広瀬八段： 角
角交換成立後
例によって両者は居玉のまま駒組みを進行させますが
その道すがら、斎藤八段は上図で１筋の歩を突き越し
早々と端の位を張る趣向をみせます。。
２２手目△６四銀。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 角
△広瀬八段： 角
一方、あえて１筋を受けなかった
広瀬八段は上図で銀を６筋の戦場へと繰り出し
「早繰り銀」に形を決めました。。
この手をみて、斎藤八段は
すぐに▲４七銀（２３手目）と立てると、次に
広瀬八段が居玉を解除したのをみて。。
（２４手目△４二玉）
２５手目▲５六銀。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 角
△広瀬八段： 角
銀を５筋の戦場へと繰り出し
こちらは「腰掛銀」に形を決めました。。
攻撃の銀のポジションが決まると、次は
玉の囲いを目指すのが「角換わり」の定番ですが
広瀬八段はセオリー通りに△３一玉（２６手目）と寄せるも
斎藤八段が▲６六歩（２７手目）と突いたのをみて。。
２８手目△７五歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 角
△広瀬八段： 角
広瀬八段はノータイムで、７筋の歩を突き合わせ
玉の「入城」を待たずに仕掛けを開始しました。。
３４手目△４六銀。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 角、歩
△広瀬八段： 角、歩２
先手に▲同銀右（２９手目）と取らせて
形を乱した広瀬八段は「早繰り銀」を軽快に
前に滑らせ先手陣に圧力をかけます。。
上図から次に
斎藤八段が居玉を解除したのをみて（３５手目▲６八玉）
広瀬八段が△６二金（３６手目）と自陣に手を入れた局面で
午前の対局は終了となり、お昼休憩突入となりました。。
【 お昼のオーダー 】
斎藤八段： 和風山椒ポークカレー
広瀬八段： 豚しょうが焼き弁当
３８手目△５五銀。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 角、歩
△広瀬八段： 角、歩２
しかし、午後の対局開始の一手で
斎藤八段が９筋の端歩を突くと（３７手目▲９六歩）
広瀬八段は前に出した拠点の銀を５筋の位へ引き下げ
攻守のバランスを取り、間合いを計ります。。
４３手目▲３七角
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 歩
△広瀬八段： 角、歩
仕掛けのトーンを下げた後手に対して
斎藤八段は９筋の端の位も確保すると（４１手目▲９五歩）
手持ちの角を自陣に打ち込み、臨戦態勢に入ります。。
この手をみて、広瀬八段が
４２分の長考の末に、５筋の歩を突き出すと。。
（４４手目△５四歩）
４５手目▲６五歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 歩
△広瀬八段： 角、歩
斎藤八段は６分の考慮で
機敏に６筋の歩を突き出し、仕掛けを開始します。。
広瀬八段は△７三銀（４６手目）とかわして
以下、▲７九玉～△５三金～▲７五歩～△同歩～
▲同銀～△５五角に▲８八玉～△６二銀～▲６七金右～
△２二玉をみて、下図５７手目▲５五角と進行。。
５７手目▲５五角。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 角、歩
△広瀬八段： 歩２
両者は呼吸を合わせて格調高く
「矢倉」の中へと玉の「入城」を完了してから
斎藤八段はしなやかに角を交換すると。。
６１手目▲５二金。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 歩
△広瀬八段： 角、歩２
斎藤八段は手にした角を敵陣へ投入。。
荒らぶることなく冷静に、終盤戦の幕を開きました。。
８９手目▲１四歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段： 金、歩４
△広瀬八段： 角、銀、歩２
終盤戦は斎藤八段の優雅な一人舞台に。。
将棋界屈指の終盤力を誇る広瀬八段に見せ場を与えず
飛車・角の大駒を連携させ、スムーズに攻め手をつなぎ
鮮やかに盤上を制圧します。。
【 投了図・１０５手目▲４五金 】
投了図での持ち駒
▲斎藤八段： 桂、歩
△広瀬八段： 角、金、銀、桂、歩６
最後は３筋から敵陣をえぐり敵将を引きずり出した
斎藤八段の腕力の前に、さすがの広瀬八段も為す術なく
上図の局面をみて、無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後１１時３８分。
見事な飾った斎藤八段はこれで開幕無傷の３連勝。。
２年連続Ａ級優勝へ、着々と足場を固めて行きます。。
一方、敗れた広瀬八段は１勝２敗となりました。。