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第７９期名人戦７番勝負/第２局・一日目「戦型は相掛かり、渡辺名人が封じ手」
初防衛を目指す渡辺明名人に
関西の新若大将・斎藤慎太郎八段が挑戦する
第７９期名人戦７番勝負。
開幕戦を斎藤八段が制して迎えた注目の第２局が
本日より、九州は福岡県飯塚市「麻生大浦荘」にて
運命の幕を開きました。。
第２局の先手は渡辺名人。
連敗スタートは是が非でも避けたい本局の
初手は飛車先を突く▲２六歩から。。
２手目△８四歩。
上図での持ち駒
▲渡辺名人： なし
△斎藤八段： なし
対します、斎藤八段も２手目に同じく
飛車先を突く△８四歩と返し、対局はスタート。。
４手目△８五歩。
上図での持ち駒
▲渡辺名人： なし
△斎藤八段： なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決め
戦型は「相掛かり」となりました。。
１１手目▲３六歩。
上図での持ち駒
▲渡辺名人： なし
△斎藤八段： なし
互いに角頭を金で受けてから飛車の横腹に銀を立てる
おなじみの同形模様の出だしから、さらに息を合わせて
９筋の端歩を突き合った後、渡辺名人が３筋の歩を突き
銀・桂の早めの活用を見せると。。
１２手目△８六歩。
上図での持ち駒
▲渡辺名人： なし
△斎藤八段： なし
斎藤八段はここで同形模様に別れを告げ
自らの飛車先８筋の歩を突き合わせました。。
１５手目▲５八玉。
上図での持ち駒
▲渡辺名人： 歩
△斎藤八段： 歩
以下、▲同歩～△同飛の進行で歩交換が成立すると
渡辺名人は突進してきた後手の飛車先を受けることなく
２分の少考で玉を立て、「中住まい」に構えました。。
この手に対し
斎藤八段が２０分、時間を費やし読みを入れ直してから
同じく居玉を解除し、△６二玉（１６手目）と返したのをみて。。
１７手目▲２四歩。
上図での持ち駒
▲渡辺名人： 歩
△斎藤八段： 歩
渡辺名人はすかさず
自らの飛車先の歩を切りに出ます。。
２３手目▲８七歩。
上図での持ち駒
▲渡辺名人： 歩
△斎藤八段： 歩
同じ手順で２筋でも歩交換が成立。。
斎藤八段は先手の飛車先へ歩を打ち（２０手目△２三歩）
穏便に２筋をおさめると、名人が▲２六飛と引いたのをみて
爽やかに角道を開きました（２２手目△３四歩）。。
ここで手番の回った渡辺名人は
８筋に歩を投入し、まずは角頭のキズを消してから。。
２５手目▲７六歩。
上図での持ち駒
▲渡辺名人： 歩
△斎藤八段： 歩
斎藤八段が△８四飛（２５手目）と下げたのをみて
名人も後手と歩調を合わせて角道を開きました。。
次に、斎藤八段が浮いた歩を標的に
飛車を７筋に合わせると（２６手目△７四飛）。。
２７手目▲２二角成。
上図での持ち駒
▲渡辺名人： 角、歩
△斎藤八段： 歩
渡辺名人は６分の考慮で角交換を敢行。。
駒組みの負担になりがちな角を先に捌きました。。
３３手目▲３七桂。
上図での持ち駒
▲渡辺名人： 角、歩
△斎藤八段： 角、歩２
角交換成立直後
予定通りに７筋の歩を捕獲した後手に対して
渡辺名人が駒を盛り上げ力を溜めた、上図の局面で
午前の対局は終了となり、お昼休憩に突入します。。
【 お昼のメニュー 】
渡辺名人
黒豚ミルフィーユ仕立てカツ丼
斎藤八段
博多和牛のステーキ丼
午後の対局開始の一手に
午前の大長考と合わせて１時間２８分を費やし
じっくりと念入りに読みを入れた斎藤八段は。。
３４手目△９五歩。
上図での持ち駒
▲渡辺名人： 角、歩
△斎藤八段： 角、歩２
ガツンと９筋の歩を突き合わせ
端からの仕掛けを決断しました。。
渡辺名人は▲同歩（３５手目）と応じて、以下
△９七歩～▲２五飛～△３三桂～▲８五飛～△８四歩～
▲５五飛に△２八角～▲１八香～△１九角成をみて▲８二角～
△３五歩～▲同飛～△１八馬～下図４９手目▲９一角成と進行。。
４９手目△９一角成。
上図での持ち駒
▲渡辺名人： 香、歩３
△斎藤八段： 香
９筋に味を残した斎藤八段は
機敏に手持ちの角を敵陣へ投入し、馬の拠点を作りますが
名人も黙ってはおらず、握った手番でお返しの角を放り込み
９筋の香車を食いちぎり、怒りの馬を成り込みました。。
ともに香車を手持ちとし
馬の拠点を作った、上図から次に。。
５０手目△１七馬。
上図での持ち駒
▲渡辺名人： 香、歩３
△斎藤八段： 歩、香
斎藤八段が馬を一段引き下げ
貴重な一歩を補充し、先手の飛車に当てたのをみて
渡辺名人は手を止め長考に入ります。。
名人の考慮時間が１時間３４分経過したところで
終了時刻（１８時３０分）を迎え、そのまま次の手を封じて
一日目は終了、二日目へと指し掛けになりました。。
現局面の形勢は互角の範囲内ながらも
本格開戦を目前に控えた考えどころで、果たして
名人が大長考の末に決断した「封じ手」は何か。。
明日は決着の二日目。。
開始直後の攻防から、目が離せません。。