![](https://stat.profile.ameba.jp/profile_images/20180310/22/0e/eT/j/o01390200p_1520687400462_aubql.jpg)
頂上決戦は超ハイレベル。。NHK女流出場棋士決定戦「里見女流四冠-西山女流三冠を振り返ろう」
今回は昨日放送されました注目の頂上決戦
第71回NHK杯将棋トーナメント女流出場棋士決定戦
「里見香奈女流四冠-西山朋佳女流三冠」の模様を
振り返らせていただきます。。
2手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲西山女流三冠: なし
△里見女流四冠: なし
本局の先手は西山女流三冠。。
その初手でいきなり中央5筋の歩を突き
振り飛車投入を示唆しました。。
この手をみて、里見女流四冠が2手目に
△3四歩と角道を開き、戦型に含みを持たせて
対局をスタートすると、西山女流三冠はすかさず
飛車を5筋へと振り、「中飛車」を投入します。。
6手目△3二飛。
上図での持ち駒
▲西山女流三冠: なし
△里見女流四冠: なし
一方の里見女流四冠も、上図の局面で
飛車を2筋へと振り、「向かい飛車」を投入し
戦型は「相振り飛車」となりました。。
互いに飛車のポジションが決まったところで
西山女流三冠が居玉を解除すると(7手目▲4八玉)
里見女流四冠もすぐに呼応、玉を4筋に構えますが。。
(8手目△4二玉)
9手目▲5四歩。
上図での持ち駒
▲西山女流三冠: なし
△里見女流四冠: なし
次の瞬間
西山女流三冠は飛車先5筋の歩を突き合わせ
挨拶代わりに軽く仕掛けを開始しました。。
19手目▲3八玉。
上図での持ち駒
▲西山女流三冠: 歩
△里見女流四冠: 歩
5筋での歩交換成立後
里見女流四冠も飛車を5筋に合わせると
互いに攻撃の銀を飛車先から戦場へと繰り出し
序盤から盤上には緊張感が溢れます。。
24手目▲5五歩。
上図での持ち駒
▲西山女流三冠: 歩
△里見女流四冠: なし
里見女流四冠は後手番らしく手堅く
玉を振り飛車の相棒「美濃囲い」を収めると
上図で双方の飛車が居を構える5筋に歩を打ち
盤全体を落ち着かせました。。
31手目▲3八銀。
上図での持ち駒
▲西山女流三冠: 歩
△里見女流四冠: なし
角を9筋の端からのぞかせ
後手の駒組みをけん制した西山女流三冠も
後手に歩調を合わせる形で自陣の駒組みを進め
上図で同じく「美濃囲い」を完成させると。。
32手目▲3六歩。
上図での持ち駒
▲西山女流三冠: 歩
△里見女流四冠: なし
その間に飛車を3筋に振り直した
里見女流四冠は飛車先の突き合わせ
ここで仕掛けを開始しました。。
43手目▲9四歩。
上図での持ち駒
▲西山女流三冠: 歩
△里見女流四冠: 歩
3筋での歩交換成立後
すぐに傷を消した先手対し(35手目▲3七歩)
里見女流四冠が桂馬を1筋に跳ね、力を溜めたのをみて
西山女流三冠は機敏に9筋の端から反発します。。
里見女流四冠は△同歩(44手目)と応じて、以下
▲6五銀~△3五角~▲9三歩~△3六歩~▲5四銀に
△3七歩成~▲同銀~△5四飛~▲3六歩~△2四角~
▲9八飛をみて、下図56手目△2五桂と進行。。
56手目△2五桂。
上図での持ち駒
▲西山女流三冠: 銀
△里見女流四冠: 銀、歩2
銀交換を挟みつつ、互いに大駒が攻撃態勢に入り
9筋に強烈な飛車・香の二段ロケットを設置した先手に対し
里見女流四冠は起点の桂馬をヒラリと戦場へと跳躍させ
メリハリの利いた攻防戦から、いざ開戦となりました。。
63手目▲9二銀。
上図での持ち駒
▲西山女流三冠: なし
△里見女流四冠: 銀、歩2
先に敵陣へ強く踏み込んだのは、西山女流三冠。。
攻め駒がバランスよく配置させた後手に遅れを取るものかと
拠点の9筋から食らいつき、上図でガツンと銀を投入。。
端からの一転突破に全てを託します。。
78手目△3七桂成。
上図での持ち駒
▲西山女流三冠: 銀
△里見女流四冠: 金、銀、歩2
直線的な先手の攻めを凌いでから
里見女流四冠は手厚い攻めで反撃開始。。
後手陣へと鋭く畳み掛け、形勢を掴みますが。。
劣勢に立たされたかにみえた
ここから、豪腕・西山女流三冠が本領発揮。。
85手目△3八桂。
上図での持ち駒
▲西山女流三冠: なし
△里見女流四冠: 金、銀、歩3
まずは粘りの利いた受けを連発し
後手の攻め駒をことごとく弾き飛ばすと。。
105手目▲5五香。
上図での持ち駒
▲西山女流三冠: 銀
△里見女流四冠: 金2、銀2、歩4
機をみてジワジワと後手陣にアヤをつけながら
上図の局面で、香車を急所へ打ち込み激痛の切り返し。。
後手に傾いた形勢の針を鷲づかみにして引き寄せました。。
【 投了図・125手目▲4七玉 】
投了図での持ち駒
▲西山女流三冠: 飛、角、金、歩
△里見女流四冠: 銀3、桂、歩3
直後に里見女流四冠は寄せに入りますが
先手玉に詰みはなし。。形勢がはっきりした上図の局面で
万策尽き果て、無念の投了を告げました。。
現代の女流将棋界を代表する両者の戦いは
ハイレベルな激闘の末、西山女流三冠が逆転で制し
2年連続となる本戦出場を決めました。。