対抗形で圧勝。。第92期棋聖戦・本戦/1回戦「豊島竜王ー鈴木九段を振り返ろう」
本日の将棋界には豊島将之竜王が登場。。
第92期棋聖戦挑戦者決定トーナメント/1回戦を
振り飛車党の巨人・鈴木大介九段と戦いました。。
2手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: なし
△鈴木九段: なし
本局の先手は豊島竜王。。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。。
いきなり居飛車を明示した先手に対して
鈴木九段は2手目に角道を開く△3四歩と返し
戦型に含みを持たせて対局をスタート。。
4手目△4四歩。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: なし
△鈴木九段: なし
続く3手目に、豊島竜王が角道を開くと
鈴木九段はすかさず自らの角道を止めて
代名詞である振り飛車投入を示唆しました。。
12手目△4二飛。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: なし
△鈴木九段: なし
互いに9筋の端歩を突き合ってから
淡々と居玉を解除し、玉の囲いを目指す豊島竜王に対し
鈴木九段は上図で飛車を4筋へと振り、「四間飛車」投入。。
戦型は大方の予想通りの「対抗形」となりました。。
27手目▲9八香。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: なし
△鈴木九段: なし
双方、飛車のポジションが決まると
鈴木九段も居玉を解除し、自陣の駒組みを進めます。。
上図の局面で、豊島竜王は9筋の香車を一段繰り上げ
振り飛車の天敵「穴熊」を明示しました。。
35手目▲8六角。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: なし
△鈴木九段: なし
豊島竜王は淀みなく
「穴熊」に玉を納め、「銀のハッチ」を閉じると(33手目▲8八銀)
後手も呼応し「美濃囲い」へ玉を納めたのをみて(34手目△8二玉)
機敏に角を8筋に迫り出し、飛車当てて駒組みをけん制します。。
この手に対し
鈴木九段が飛車を自陣最下段へ引き下げると。。
(36手目△4一飛)
37手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: なし
△鈴木九段: なし
自らの飛車2筋の歩を突き合わせ追撃。。
先手らしく積極的に模様をリードして行きます。。
45手目▲7九銀右。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: なし
△鈴木九段: 歩
突き合わされた2筋の歩を
鈴木九段が角で払うと(38手目△2四同角)
豊島竜王は再び自陣に手を戻し、駒組みを進行。。
金・銀を連結させた強大な「穴熊」を完成しました。。
ここでも呼吸を合わせて
「美濃囲い」から銀冠」へとリフォームした鈴木九段が
上図から次に、4筋の歩を突き捨ててから(46手目△4六歩)
銀を自陣に引き戻したのをみて(48手目△5三銀)。。
49手目▲5五歩。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: 歩
△鈴木九段: 歩
豊島竜王は中央5筋の歩を突き合わせ
ここで仕掛けを開始しました。。
鈴木九段は△8五歩(50手目)と反発して、以下
▲5三角成~△同金~▲5四歩~△5二金~▲3七桂~
△4六飛に▲6一銀~△6二金左~▲7二銀成~△同玉~
▲7五歩~△4九飛成をみて下図63手目▲2四飛と進行。。
63手目▲2四飛。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: 角、金、歩2
△鈴木九段: 角、銀、歩2
豊島竜王は最初の仕掛けからエンジン全開。。
後手の飛車の成り込みは怖くないと、軽快に駒を捌き
上図であっさり、角との交換で飛車を切ります。。
87手目▲5三歩成。
上図での持ち駒
▲豊島竜王: 歩5
△鈴木九段: 金、歩
そのまま終盤戦へと突入すると
堅陣の余裕も相まって、豊島竜王の攻め手が伸び
手番を握りながら確実に後手玉の包囲網を狭めて行き
形勢の針を大きく引き寄せました。。
【 投了図・117手目▲8八玉 】
投了図での持ち駒
▲豊島竜王: 角、香3、歩3
△鈴木九段: 金、銀、桂、歩2
鈴木九段は攻め合いに活路を求めますが
豊島竜王はつけ入る隙を一切与えることなく
後手の寄せを涼しげに凌ぎ、上図の局面をみて
鈴木九段は万策尽き果て無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後4時4分。
「対抗形」で見事な圧勝を飾った豊島竜王が
強さを見せつけ堂々と、2回戦進出を決めました。。