若手に連勝。。第62期王位戦挑決L・白組/2回戦「羽生九段-池永四段を振り返ろう」
今回は一昨日の木曜日(11日)に行われました
第62期王位戦挑戦者決定リーグ・白組の2回戦
注目の「羽生善治九段-池永天志四段」の模様を
振り返らせていただきます。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲池永四段: なし
△羽生九段: なし
本局の先手は池永四段。
その初手は角道を開く▲7六歩から。。
対します、羽生九段は2手目に飛車先を突く
△8四歩と返し、対局はスタート。。
早々と居飛車を明示し
戦型の選択権を先手に委ねた羽生九段に対して
池永四段の意向が明らかとなる、次の3手目は。。
3手目▲6八銀。
上図での持ち駒
▲池永四段: なし
△羽生九段: なし
池永四段は3手目▲6八銀とし
将棋の看板戦法「矢倉」での勝負を指向しました。。
26手目△6四角。
上図での持ち駒
▲池永四段: なし
△羽生九段: なし
羽生九段ももちろん、「矢倉」に異存はなく
現代調の進行でいざ、「相矢倉」を目指しますが
先手が居玉を解除し、角道が止まった瞬間(25手目▲6八玉)
羽生九段は機敏に角を6筋の戦場へと迫り出しました。。
後手の軽い仕掛けを前に
池永四段は桂馬を跳ねて対応(27手目▲3七桂)。。
すると局面は落ち着き、両者は再び呼吸を合わせて
自陣の駒組みに取り掛かります。。
38手目△8四銀。
上図での持ち駒
▲池永四段: なし
△羽生九段: なし
羽生九段は角の睨みを利かせたまま
上図で飛車先に銀を乗せ、「棒銀」に構えます。。
一方の池永四段は、次に
飛車を1筋に合わせ、香車との二段ロケットを設置。。
角も絡めた端攻めを見せますが39手目▲1八飛)。。
次の瞬間
40手目△9五歩。
上図での持ち駒
▲池永四段: なし
△羽生九段: なし
羽生九段は反対サイドの9筋で
歩を突き合わせ、先に仕掛けを開始しました。。
池永四段は▲6五歩(41手目)と突き返し、以下
△7三角~▲1五歩~△9六歩~▲1四歩~△1二歩に
▲9八歩~△9五銀~▲6八角をみて△6四歩~▲同歩~
△同角~▲6五歩~▲7三角~下図55手目▲2八飛と進行。。
55手目▲2八飛。
上図での持ち駒
▲池永四段: なし
△羽生九段: 歩
池永四段は簡単には捌きを許さず
何とか局面を収めてから、飛車を2筋に戻しました。。
が、しかし。。
68手目△五桂。
上図での持ち駒
▲池永四段: 歩3
△羽生九段: 歩2
すぐに追撃を開始した羽生九段の手がしなやかに伸び
端攻めの味を残したまま飛車先へ華麗に桂馬を跳躍させ
制空権を支配し、大捌きの準備が整いました。。
ここで銀を逃げていては勝負にならないと
池永四段は敵陣へ歩を成り込み(69手目▲6三歩成)
覚悟を決めて攻め合いを指向すると。。
70手目△7七桂成。
上図での持ち駒
▲池永四段: 歩3
△羽生九段: 銀、歩2
羽生九段は真っ向から受けて立ち
桂馬を先手陣へ飛び込ませ、終盤戦の幕を開きます。。
すると。。
84手目△8九飛成。
上図での持ち駒
▲池永四段: 角、銀2、桂2、歩3
△羽生九段: 飛、角、歩2
羽生九段は淀みなく大捌きを敢行。。
仕上げに飛車を成り込み、そのまま寄せへと入ります。。
109手目▲6八銀。
上図での持ち駒
▲池永四段: 角、桂、歩6
△羽生九段: なし
将棋の代名詞である
羽生九段との初手合いに燃える池永四段は
龍中心に守りを固め、徹底抗戦の構えをみせますが。。
【 投了図・146手目△8七銀 】
投了図での持ち駒
▲池永四段: 銀、香、歩8
△羽生九段: 金、歩2
羽生九段が百戦錬磨の指し回しで
先手の堅陣を見事にこじ開けた、上図の局面をみて
池永四段はついに力尽き、無念の投了を告げました。。
1回戦の長谷部浩平四段戦に続き
若手棋士に貫禄の勝利を飾った羽生九段は
気分よく、リーグ戦連勝発進を決めました。。