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第７０期王将戦挑戦者決定リーグ/最終戦「豊島竜王－羽生九段を振り返ろう」
今回は、昨日行われました
第７０期王将戦挑戦者決定リーグ/最終戦の中から
注目の「豊島将之竜王－羽生善治九段」の模様を
振り返らせていただきます。。
２手目△３四歩。
上図での持ち駒
▲豊島竜王： なし
△羽生九段： なし
ともに１敗で並び
無敗で最終戦を迎えた永瀬拓矢王座の結果次第で
勝者にはプレーオフ進出の可能性が残る大一番。。
先手・豊島竜王の初手は飛車先を突く▲２六歩。
対します、羽生九段は２手目△３四歩と角道を開き
対局はスタートとなりました。。
６手目△８五歩。
上図での持ち駒
▲豊島竜王： なし
△羽生九段： なし
続く３手目に、豊島竜王が角道を開くと
羽生九段はすかさず飛車先を突き、互いの違いの出だしで
まずは相居飛車が確定すると、次の両者は息を合わせて
飛車先の決め、「横歩取り」を目指す序盤の出だしに。。
１４手目△８六同歩。
上図での持ち駒
▲豊島竜王： 歩２
△羽生九段： 歩２
互いに角頭を金で受け、飛車先で歩を交換する
おなじみの同形模様の進行から次に、豊島竜王は。。
１５手目▲３四飛。
上図での持ち駒
▲豊島竜王： 歩２
△羽生九段： 歩２
２筋に浮いた飛車で、お隣り３筋の歩をかすめとり
ケレン味なく、戦模は「横歩取り」に決定しました。。
２０手目△８四飛。
上図での持ち駒
▲豊島竜王： 歩３
△羽生九段： 歩２
３筋に回った先手の飛車先を
羽生九段が定跡通りに角で受けると（１６手目△３三角）
豊島竜王はすぐに玉を立て「中住まい」に構えますが、次に
△４二銀（１８手目）をみて、飛車をサッと引き引き下げます。。
この手をみて、羽生九段も先手に呼応し
飛車を８四の地点へと引いて浮かせて構える、くしくも
同日に行われた「永瀬王座－広瀬八段」と序盤は全く同じ
最先端の模様が描き出されました。。
３７手目▲３七桂。
上図での持ち駒
▲豊島竜王： 歩
△羽生九段： 歩
研究将棋の申し子である
豊島竜王は２筋を自陣低くで受けてから
上図で右の桂馬を跳躍させ、力を溜めますが。。
次の瞬間
３８手目△８八角成。
上図での持ち駒
▲豊島竜王： 歩
△羽生九段： 角、歩
羽生九段は機敏に角交換を敢行。。
相手の仕掛けを待たずに局面を動かします。。
豊島竜王は▲同銀（３９手目）と応じて、以下
△３三桂～▲４五桂～△３四歩に▲３三桂成～△同銀～
▲８五飛～△２一飛～▲３七桂～△４二銀～▲７七銀～
△２六歩～▲６八玉をみて下図５２手目△２七歩成と進行。。
５２手目△２七歩成。
上図での持ち駒
▲豊島竜王： 角、歩
△羽生九段： 角、桂
角交換に続けて、桂馬を軽く捌いてから
飛車を８筋へと合わせた豊島竜王に対して
羽生九段は自らの飛車先２筋から歩を突進。。
先に敵陣へと到達しました。。
５８手目△６四角。
上図での持ち駒
▲豊島竜王： 角、歩２
△羽生九段： なし
豊島竜王に▲２七同銀（５３手目）と取らせて
先手の陣形を乱した羽生九段は、続けて飛車を追うと
上図で仕上げの角を投入し、攻撃態勢を整えます。。
さらに。。
６６手目△４六角。
上図での持ち駒
▲豊島竜王： 歩
△羽生九段： 飛、歩
直後に角を５筋の戦場に投入し（５９手目▲５六角）
豊島竜王が３筋から反撃に出たところで、すかさず
羽生九段は角との交換で飛車を捕獲すると。。
８０手目△６七桂成。
上図での持ち駒
▲豊島竜王： 歩２
△羽生九段： 飛、歩
嵩に掛かった攻めで敵陣へと襲い掛かり
羽生九段が一方的に、終盤戦の幕を開きます。。
が、しかし。。
１０５手目▲８四桂。
上図での持ち駒
▲豊島竜王： 桂、歩３
△羽生九段： 銀
中盤までの迫力ある、スムーズな進行から一転
寄せに手間取る羽生九段を横目に、豊島竜王は
腰の据わった受けから、機を見て鋭く反撃に転じ
後手に傾いた形勢の針を引き戻します。。
【 投了図・１１５手目▲３二角成 】
投了図での持ち駒
▲豊島竜王： 金、桂、歩３
△羽生九段： 銀２、歩
羽生九段は攻め合いに活路を求めますが
一度失った流れは変わらず、豊島竜王が金を捕獲した
上図の局面をみて、無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後７時５０分。
直接対決を逆転勝利で制した豊島竜王は
５勝１敗の成績で全日程を終了。。
最終戦で黒星を喫した永瀬王座と土壇場で並び
挑戦権のゆくえは、プレーオフへと持ち越されました。。
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