本日は第79期A級順位戦/5回戦「三浦九段-糸谷八段は一手損角換わり」
本日の将棋界では
第79期順位戦のうち、最高峰・A級の5回戦
注目の「三浦弘行九段-糸谷哲郎八段」の一戦が
東京・将棋会館にて行われています。。
三浦九段の今期ここまでの成績は
18戦9勝9敗(.500)。順位戦は開幕4連敗中。。
糸谷八段の今期ここまでの成績は
20戦15勝5敗(.750)。順位戦は3勝1敗。
9月から負けなしで現在、公式戦8連勝中。。
気になる両者の対戦成績は
ここまで10戦して、5勝5敗のイーブンで
本局の対戦を迎えました。。
2手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲三浦九段: なし
△糸谷八段: なし
本局の先手は三浦九段。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。
対します、糸谷八段は2手目に角道を開く
△3四歩と返して、対局はスタート。。
続く3手目に
三浦九段が角道を開いたのをみて。。
4手目△8八角成。
上図での持ち駒
▲三浦九段: なし
△糸谷八段: 角
糸谷八段はノータイムで
拘りの十八番「一手損角換わり」を敢行しました。。
15手目▲4六銀。
上図での持ち駒
▲三浦九段: 角
△糸谷八段: 角
角交換成立後
先手の上に、さらに一手得した三浦九段は
飛車先を突き越してから銀を4筋の戦場に繰り出し
早々と「早繰り銀」に形を決めました。。
20手目△4二飛。
上図での持ち駒
▲三浦九段: 角
△糸谷八段: 角
一方の糸谷八段は
飛車先不突きのまま、7三の地点に銀を構えると
先手が居玉を解除したのをみて(19手目▲6八玉)
飛車を4筋へと振り、「四間飛車」を投入しました。。
27手目▲8八玉。
上図での持ち駒
▲三浦九段: 角
△糸谷八段: 角
糸谷八段は居玉のまま
△6四銀~△6五銀~△5四銀と手数をかけて
右銀を5筋に据え、「腰掛銀」に形を決めます。。
三浦九段はその間に、玉の「入城」を手堅く完了。。
上図から次に、糸谷八段が△7二金と開いて構えた局面で
午前の対局は終了となり、お昼休憩に突入します。。
【 お昼のオーダー 】
三浦九段: なべ焼きうどん
糸谷八段: うな重セット(肝吸)
29手目▲3四歩。
上図での持ち駒
▲三浦九段: 角
△糸谷八段: 角
午後の対局開始の一手で
三浦九段は3筋の歩を突き合わせ
仕掛けを開始しました。。
32手目△6二玉。
上図での持ち駒
▲三浦九段: 角
△糸谷八段: 角
糸谷八段は同歩とは応じずに
「腰掛銀」を自陣に引き戻すと(30手目△4三銀)
居玉を解除し、昔から得意としている「右玉」に構え
冷静に、まずは自陣を整備します。。
39手目△6七金右。
上図での持ち駒
▲三浦九段: 角
△糸谷八段: 角
後手の動きに呼応し
三浦九段も仕掛けを急がず、自陣を整備し
上図で格調高く「矢倉囲い」を完成させました。。
駒組みの飽和点も近づく中、次糸谷八段が次に
玉の頭上に金を乗せたのをみて(40手目△6三金)
三浦九段は囲いの要である銀を8筋の戦場へと繰り出し
さらなる囲いの拡張を目指した(41手目▲8六銀)
次の瞬間
42手目△4五歩。
上図での持ち駒
▲三浦九段: 角
△糸谷八段: 角
糸谷八段は飛車・銀が構える4筋で
歩を突き合わせ、ここで反撃に転じました。。
三浦九段は49分の長考の後、▲同銀と応じて
以下、△3五歩~▲4六歩~△5二銀に▲3四歩~
△4四銀~▲同銀~△同飛~▲4五銀~△4一飛~
▲2二銀をみて、下図55手目▲3五角と進行。。
55手目▲3五角。
上図での持ち駒
▲三浦九段: 歩
△糸谷八段: 角、歩
4筋で銀交換が成立した直後
三浦九段は手にした銀をすぐに再投入し
後手の飛車先を押さえると、返す刀で手持ちの角を
争点の4筋へ打ち込み、華麗に切り返します。。
この手に対し
糸谷八段は手持ちの銀を自陣に打ち込みジッと我慢。。
角の成り込みを阻止すると、三浦九段は6分の考慮で
角を後手の飛車先から外し、急所の5筋を狙います。
この局面で
夜戦に備えて夕食休憩に突入。。
【 夕食のオーダー 】
三浦九段: 豚しゃぶ(ゴマ味噌だれ)
糸谷八段: ざるそば
次に先手の▲5四歩の突き出しが見るからに痛い
糸谷八段にとっては、終盤戦をも見据えた考えどころ。。
夕食休憩明けからのねじり合いに期待が高まります。。
表紙は羽生九段!
将棋世界12月号、絶賛発売中!
慶春のmy Pick