鉄板流は優雅に健在。。第92期棋聖戦・二次予選/1回戦「森内九段-窪田七段を振り返ろう」
今回は久しぶりに、我等の永世名人
最近はYoutuberとしても名を馳せる森内俊之九段の
直近の公式戦の模様をご紹介させていただきます。。
2手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲森内九段: なし
△窪田七段: なし
月曜日(5日)に行われました
第92期棋聖戦の二次予選/1回戦で
森内九段は窪田義行七段と対戦。。
先手は、森内九段。
その初手は角道を開ける▲7六歩から。。
振り飛車党の奇才・窪田七段も2手目に同じく
△3四歩と角道を明け、対局はスタート。。
8手目△4二飛。
上図での持ち駒
▲森内九段: なし
△窪田七段: なし
続く3手目に、森内九段が飛車先を突いたのをみて
すかさず自らの角道を止め、振り飛車投入を示唆した
窪田七段は上図の局面で、飛車に手を掛け4筋へと振り
拘りの「ノーマル四間飛車」に構えました。。
16手目△6二玉。
上図での持ち駒
▲森内九段: なし
△窪田七段: なし
互いに飛車のポジションが決まり
戦型が「対抗形」になると、両者は玉の囲いを目指します。。
自然な手順で指し進む森内九段に対して
居玉のまま9筋の端歩を突き越した窪田七段は
先手が飛車先を決めたのをみて(15手目▲2五歩)
ようやく居玉を解除する趣向の手順を披露しました。。
27手目▲9八香。
上図での持ち駒
▲森内九段: なし
△窪田七段: なし
さらに、窪田七段は
囲いを決めずに玉を7筋に留めたまま
飛車を6筋に振り直します(24手目△6二飛)。。
しかし、後手の凝った駒組みにも
森内九段は動じることなく淡々と、上図の局面で
9筋の香車を繰り上げ、「穴熊」を明示しました。。
39手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲森内九段: なし
△窪田七段: なし
森内九段はそのまま「穴熊」を完成させると
角を戦場にのぞかせ利かしを入れてから(35手目▲8六角)
自らの飛車先2筋の歩を突き合わせ、力みなくしなやかなに
上図で仕掛けを開始しました。。
窪田七段は△同歩(40手目)と応じて、以下
▲5五歩~△同角~▲2四飛~△6一飛に▲7五歩~
△同歩~▲7四歩~△8五桂~▲7五角~△6三金をみて
下図51手目▲2三飛成と進行。。
51手目▲2三飛成。
上図での持ち駒
▲森内九段: 歩
△窪田七段: 歩3
森内九段は模様を自在に動かし
飛車の成り込みに成功、あっさりと主導権を握りました。。
60手目△9六歩。
上図での持ち駒
▲森内九段: 歩2
△窪田七段: 歩3
スムーズに指し手がつながる先手に対して
大駒の活用の見込みが定まらない窪田七段は
上図で9筋の端から反撃を開始します。。
64手目△同桂成。
上図での持ち駒
▲森内九段: 歩4
△窪田七段: 桂、歩2
先手の桂馬を呼んで桂交換を成立させた
窪田七段は、すかさず手にした桂馬を同じ地点に投入し
一直線に、先手「穴熊」の攻略を目指します。。
(66手目△8五桂)
70手目△9七桂成。
上図での持ち駒
▲森内九段: 歩3
△窪田七段: 香、歩2
直後に、森内九段も桂馬を投入し
金取りを掛けますが(69手目▲7六桂)
窪田七段は構うことなく、駒を回転させながら
我武者羅に先手玉の頭上へ猛攻を続けますが。。
97手目△7三歩成。
上図での持ち駒
▲森内九段: 金、歩3
△窪田七段: 歩
「鉄板流」森内九段の牙城は揺るがず。。
後手の猛攻を丁寧に凌ぎながら小駒で反撃し
形勢の針を確実に引き寄せて行きます。。
【 投了図・105手目▲8三銀 】
投了図での持ち駒
▲森内九段: 金、桂、歩4
△窪田七段: 飛、銀、歩2
最後はズバリと飛車を切り
手にした銀を後手の急所に打ち込んだ
上図の局面で、窪田七段は無念の投了。。
森内九段が粋でいなせな勝利を飾り
両手を広げて存在感をみせつけました。。
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