第5期叡王戦7番勝負/第7局「戦型は相掛かり、大駒を起点に白熱の開戦へ」
初防衛を目指す永瀬拓矢叡王に
豊島将之竜王・名人が挑戦する、第5期叡王戦。
7番勝負はここまで6局を消化し
波乱の展開で2勝2敗2分(持将棋)のイーブン。
勝者がタイトルに王手をかける、正念場の第7局が
本日、東京・将棋会館にて運命の幕を開きました。。
本来であれば最終戦の第7局。
本局の手番はあらためて振り駒に委ねられ
先手を得たのは、永瀬叡王でした。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: なし
△豊島竜王・名人: なし
永瀬叡王の初手は飛車先を突く▲2六歩。
対します、豊島竜王・名人も2手目に同じく飛車先を突く
△8四歩と返し、互いに居飛車を明示して対局はスタート。。
4手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: なし
△豊島竜王・名人: なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決め
本局の戦型は「相掛かり」となりました。。
9手目▲9六歩。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: なし
△豊島竜王・名人: なし
互いに角頭を金で受け、飛車の横に銀を立ててから
永瀬叡王は9筋の端歩を突き、一つ間合いを計りました。。
この手に対し、豊島竜王・名人は
10手目△5二玉。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: なし
△豊島竜王・名人: なし
1分の少考で気息を整えてから
端歩を受けずに玉を立て、「中住まい」に構えます。。
次に、永瀬叡王が反対サイドの1筋の端歩を突くと。。
(11手目▲1六歩)
12手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: なし
△豊島竜王・名人: なし
竜王・名人は歩調を合わせず
自らの飛車先8筋の歩を突き合わせました。。
17手目▲1五歩。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: なし
△豊島竜王・名人: 歩
以下、▲同歩~△同飛の進行で歩交換が成立すると
永瀬叡王は丁寧に角頭をケアしてから(15手目▲8七歩)
竜王・名人が飛車を8四の地点に引き下げたのをみて
1筋の歩を突き越し、こちらは端に主張を持ちます。。
序盤から双方、我が道を行く進行となり
上図から次に、豊島竜王・名人が角道を開くと。。
(18手目△3四歩)
19手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: なし
△豊島竜王・名人: 歩
今度は永瀬叡王が
自らの飛車先2筋の歩を突き合わせました。。
24手目△4四角。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: 歩
△豊島竜王・名人: 歩
同じ手順で2筋でも歩交換が成立。。
豊島竜王・名人も先手の飛車先をおさめてから
永瀬叡王が8六の地点に浮かせて構えた飛車を標的に
角を戦場へと迫り出し、さらに局面を動かします。。
この手に、永瀬叡王は。。
25手目△8六飛。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: 歩
△豊島竜王・名人: 歩
6分の考慮で、飛車を横へとすべらせ
早々と飛車交換を注文しました。。
さすがの豊島竜王・名人も、ここで手を止め
29分の長考で、丹念に読みを入れ直してから。。
26手目△8六同飛。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: 飛、歩
△豊島竜王・名人: 飛、角、歩
先手の注文を受けて立ち
駒組みの完成を待たずに飛車交換が成立しました。。
以下、▲同歩に△7四歩(28手目)と進行したところで
午前の対局は終了、お昼休憩に突入します。。
【 お昼のメニュー 】
両者ともに「「鰻重 藤(肝吸いつき)」
*永瀬叡王は「肝焼き」を追加
30手目△8八角成。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: 飛、歩
△豊島竜王・名人: 飛、角、歩
午後の対局開始の一手で
永瀬叡王が角道を開いた(29手目▲7六歩)
次の瞬間、豊島竜王・名人は角交換を敢行。。
早くも飛車・角の大駒が盤上から消えました。。
36手目△2六飛。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: 飛、角、歩
△豊島竜王・名人: 角、歩
大駒の交換直後
左右の桂馬を跳躍させて力を溜めた
豊島竜王・名人は上図で手持ちの飛車を
2筋へと投入し、形を決めます。。
この手に
永瀬叡王は34分の長考の末に。。
37手目▲8二角。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: 飛、歩
△豊島竜王・名人: 角、歩
何と竜王・名人の飛車を受けることなく
敵陣8筋へ角を投入、攻め合いを指向しました。。
豊島竜王・名人は5分の考慮で
敵陣に飛車を走らせ(38手目△2八飛成)、以下
▲9一角成~△2七角~▲3九香~△6四歩に▲7五歩~
△6三角成~▲9二馬をみて、下図46手目△8三歩と進行。。
46手目△8三歩。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: 飛、歩
△豊島竜王・名人: なし
永瀬叡王が捕獲した香車を受け駒に使うと
豊島竜王・名人は、強引な敵陣進行を選択せず
馬を守りに参加させ、先手の馬を閉じ込めました。。
49手目▲9二飛。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: 歩
△豊島竜王・名人: 香
何とか局面を打開したい永瀬叡王は
竜王・名人が香車を捕獲したところで(45手目△1九龍)
飛車を敵陣に投入、大駒を起点にひと暴れを目論見ます。。
この手に対し
豊島竜王・名人はノータイムで。。
50手目△6二玉。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: 飛、歩
△豊島竜王・名人: 香
玉を6筋に寄せ、まずは専守防衛に徹した
上図の局面で、夜戦に備えて夕食休憩に突入。。
敵陣で火の手を上げたい永瀬叡王と
ゆっくりとした展開を指向する豊島竜王・名人。。
本局の持ち時間は各6時間
互いの思惑を盤上で激しく交錯させながら
長い夜の幕が開きます。。
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