スペシャルな戦い。。第5期叡王戦7番勝負/第5局「相掛かりの最前線、特別メニューも登場」
初防衛を目指す永瀬拓矢叡王に
豊島将之竜王・名人が挑戦する第5期叡王戦7番勝負。
ここまで4局を消化し1勝1敗2引き分け。
異例の展開をみせる番勝負は本日、東京・将棋会館にて
午後2時より、第5局が行なわれています。
第5局の先手は永瀬叡王。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。
対します、豊島竜王・名人も2手目に同じく
飛車先を突く△8四歩と返し、対局はスタート。。
4手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: なし
△豊島竜王・名人: なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決め
戦型は「相掛かり」となりました。。
7手目▲5八玉。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: なし
△豊島竜王・名人: なし
互いに角頭を金で受けてから
飛車の横腹に銀を立てるのが「相掛かり」の定跡ですが
本局の永瀬叡王はいきなり玉を立て、「中住まい」に構える
趣向の出だしを披露しました。。
この手に対し、豊島竜王・名人は
ノータイムで定跡通りに銀を立てると(8手目△7二銀)
次に、永瀬叡王が角道を開いたのをみて。。
10手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: なし
△豊島竜王・名人: なし
すかさず8筋の歩を突き合わせ
淀みなく、飛車先での歩交換を仕掛けました。。
16手目△4ニ玉。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: 歩
△豊島竜王・名人: 歩
以下、▲同歩~△同飛の進行で歩交換が成立すると
永瀬二冠は突進してきた後手の飛車先を受けることなく
3筋の歩を突き、7筋の「横歩」取りを催促します。。
(13手目▲3六歩)
しかし、豊島竜王・名人はすぐには誘いに乗らず
1筋の端歩を突いてから居玉を解除し、自陣の整備に
目処を立てた上図から、次の▲1六歩(17手目)をみて
ここでようやく「横歩」を捕獲しました(18手目△7六飛)。。
すると、次の瞬間
19手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: 歩
△豊島竜王・名人: 歩2
永瀬叡王は31分の長考の後
自らの飛車先2筋の歩を突き合せると。。
21手目▲8二歩。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: なし
△豊島竜王・名人: 歩3
豊島竜王・名人の△同歩(20手目)をみて
永瀬叡王は飛車がどいた後手陣へ、狙いの一着
歩の打ち込みを実現し、桂馬を捕獲しました。。
豊島竜王・名人はすぐに飛車を戻して(22手目△8六飛)
以下、▲8一歩成~△同飛~▲2四飛~△8六歩~▲8四歩~
△2三歩~▲2五飛~△8四飛をみて、▲6六角~△8一飛~
▲3五桂~8七歩成~下図35手目▲2三桂成と進行。。
35手目▲2三桂成。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: 歩
△豊島竜王・名人: 歩3
一連の仕掛けから、両者は迷いなく
飛車先で小駒を成り込み、早くも開戦となりました。。
44手目△6六角。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: 金、歩
△豊島竜王・名人: 角、桂、歩3
手にした金を受けに使った(40手目△3ニ金)
豊島竜王・名人は先手の龍に注意を払いながら
上図で角交換を敢行し、局面を動かします。。
48手目△8三飛。
上図での持ち駒
▲永瀬叡王: 角、金、歩2
△豊島竜王・名人: 角、桂、歩4
角交換成立後
豊島竜王・名人が飛車先の歩を払いのけた
上図の局面で、夜戦に備えて夕食休憩に突入。。
【 両者の夕食 】
叡王戦記念特別メニュー「鳩やぐら」
現在の居飛車の主流を成す
「相掛かり」の最先端の研究将棋となった本局。。
常に波乱が生じる、夕食休憩明けからの終盤戦で
果たして何が起こるのか、全く予断を許しません。。