叡王戦も開幕延期が決定。。師弟対決でも切れ味鋭く「井上九段-菅井八段を振り返ろう」
本日の午後、日本将棋連盟より
日曜日(12日)に開幕戦が予定されていました
第5期叡王戦7番勝負の開催延期が発表されました。
次世代のオンリーワン・永瀬拓矢叡王に
棋界のトップに立つ豊島将之竜王・名人が挑戦する
魅惑の番勝負も新型コロナウイルスの脅威の前には
延期もやむなし。今がまさに我慢の時であります。。
さて今回は、火曜日(7日)に行なわれました
第68期王座戦・二次予選/2回戦で実現した師弟対決
注目の「井上慶太九段-菅井竜也八段」の一戦の模様を
振り返らせていただきます。。
2手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲菅井八段: なし
△井上九段: なし
本局の先手は菅井八段。
その初手は角道を開く▲7六歩から。。
対します、井上九段も2手目に同じく角道を開く
△3四歩と返して、対局はスタート。。
9手目▲6六銀。
上図での持ち駒
▲菅井八段: なし
△井上九段: なし
続く3手目に、角道を止めた菅井八段は
自陣2段目を空けて飛車の横利きを通し
代名詞である振り飛車投入を示唆します。。
一方、基本は居飛車党である
井上九段も弟子と歩調を合わせ、上図から次に
歩を突いた5筋へ銀を構えると(10手目△5三銀)
菅井八段の▲4八銀(11手目)をみて。。
12手目△3二飛。
上図での持ち駒
▲菅井八段: なし
▲井上九段: なし
先に飛車に手をかけ、3筋へと振り
角道を通したまま「三間飛車」に構えました。。
17手目▲8八飛。
上図での持ち駒
▲菅井八段: なし
△井上九段: なし
飛車のポジションを決めてから
玉の囲いを目指す師匠に対し、菅井八段は
二枚の銀を自陣三段目に繰り上げてから飛車を振り
「向かい飛車」を投入。戦型は「相振り飛車」となりました。。
32手目△4五歩。
上図での持ち駒
▲菅井八段: なし
△井上九段: なし
先に仕掛けたのは、井上九段。
玉を振り飛車の相棒「美濃囲い」におさめてから
4筋の歩を突き合わせました。。
41手目▲6五歩。
上図での持ち駒
▲菅井八段: なし
△井上九段: なし
しかし、4筋で歩交換が成立した直後
手番を握った菅井八段はすかさず反撃に転じ
5筋、8筋に続けて6筋でも歩を突き捨てると
次の△同銀(42手目)をみて。。
43手目▲3三角成。
上図での持ち駒
▲菅井八段: 角
△井上九段: 歩4
菅井八段はズバリと角交換を敢行。。
テンポ良く模様を動かし、師匠に宣戦布告します。。
井上九段は△同飛(44手目)で角を払い、以下
▲4四角~△5三角~▲7七角~△4四歩に▲5六銀右~
△5四銀~▲6六銀~△3一飛~▲5五銀左~△同銀~
▲同銀~△4九銀をみて下図57手目▲5四銀打と進行。。
57手目▲5四銀打。
上図での持ち駒
▲菅井八段: 歩
△井上九段: 歩3
いざ開戦後は、菅井八段の独壇場。。
角交換直後の大駒の交換をあっさりと拒み
自陣に角をひきつけてから、師匠に反撃を手抜き
二枚の銀で力強く攻め込みます。。
すると。。
【 投了図・65手目▲4三銀成 】
投了図での持ち駒
▲菅井八段: 金、歩
△井上九段: 銀、歩4
立て板に水で攻勢強める
菅井八段の圧倒的名切れ味を前にして
井上九段は為術なく、上図の局面をみて
無念の投了を告げました。。
見事な勝利で師匠に恩返しをした
菅井八段は堂々と二次予選/決勝へ進出。。
本戦出場を懸け、糸谷哲郎八段と対戦します。。
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