第5期叡王戦挑戦者決定三番勝負/第3局「豊島竜王・名人-渡辺三冠の終盤戦を振り返ろう」
【 投了図・123手目▲8三金打 】
投了図での持ち駒
▲豊島竜王・名人: 歩5
△渡辺三冠: 角、桂
昨日、決着をみました大一番
第5期叡王戦挑戦者決定三番勝負/第3局は
上図123手までで、先手・豊島竜王・名人が勝利。
50手目△9五角。
上図での持ち駒
▲豊島竜王・名人: 角、歩2
△渡辺竜王・名人: 桂、歩2
渡辺三冠が注文をつける形で
相居飛車の力戦模様の進行から角交換が成立すると
渡辺三冠が大駒を駆使して、敵将目がけて一気呵成に
襲い掛かり、夕食休憩を迎えますが。。
57手目▲3一金。
上図での持ち駒
▲豊島竜王・名人: 角、歩2
△渡辺三冠: 銀、桂、歩2
夕食休憩が明けると
飛車先を素直に収めた渡辺三冠に対して
豊島竜王・名人は「棒銀」を捌き、反撃を開始。。
飛車を成り込み、激アツの終盤戦の幕を開きます。。
88手目△6五銀。
上図での持ち駒
▲豊島竜王・名人: 角、桂、歩4
△渡辺三冠: 歩
先手のペースで激しい攻防戦が展開されますが
渡辺三冠は手厚く玉回りを整備すると、惜しげもなく
持ち駒を投入し、敵の大駒の押さえ込みをはかりつつ
局面を動かし、形勢の針を引き寄せて行きます。。
が、しかし。。
101手目▲3一角。
上図での持ち駒
▲豊島竜王・名人: 金、銀、歩5
△渡辺三冠: 飛、角、桂、歩
攻防の主導権を握ったかに思われた
渡辺三冠ですが、飛車を成り込み(98手目△2九飛成)
寄せの形を整えた次の瞬間、銀を引いて受けに回ります。。
(100手目△7一銀)
ここで手番を握った豊島竜王・名人は
すかさず敵陣に角を投入、渾身の寄せに出ました。。
【 投了図・123手目▲8三金打 】
投了図での持ち駒
▲豊島竜王・名人: 歩5
△渡辺三冠: 角、桂
豊島竜王・名人の寄せは厳しく
問答無用で後手玉を仕留め上げた、上図の局面で
渡辺三冠はついに力尽き、無念の投了を告げました。。
至高のねじり合いに終止符を打った、この瞬間
豊島竜王・名人の叡王戦挑戦が決定しました。。
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