本日は、第33期竜王戦1組/2回戦「永瀬二冠-久保九段は対抗形、振り飛車から熱く」
今回は、本日行なわれています
第33期竜王戦ランキング戦1組/2回戦の好カード
注目の「永瀬拓矢二冠-久保利明九段」の模様を
ご紹介させていただきます。。
永瀬二冠の今期ここまでの成績は
45戦33勝12敗(.733)。順位戦はB級1組で7勝4敗。
春には叡王、秋には王座と連続奪取に成功し、二冠を保持。
次世代のオンリーワンは一躍、将棋界の中心に立ちます。。
対します、久保九段の今期ここまでの成績は
39戦19勝20敗(.487)。順位線はA級で2勝6敗。
振り飛車の同志である菅井竜也八段と入れ替わる形で
無念のA級陥落となるなど、苦しい戦いが続きます。。
2手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: なし
△久保九段: なし
対照的な今期を過ごす両者の対戦成績は
ここまで2戦して、永瀬二冠の2連勝。。
本局の先手は、永瀬二冠。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。。
対します、久保九段は2手目に角道を開く
△3四歩と返し、対局はスタート。。
4手目△4四歩。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: なし
△久保九段: なし
続く3手目に、永瀬二冠が角道を開くと
久保九段はすかさず自らの角道を止めて
代名詞である、振り飛車を示唆しました。。
8手目△3二飛。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: なし
△久保九段: なし
9筋の端歩を突き合って迎えた、上図の局面で
久保九段は飛車に手をかけると、3筋へと振り
「ノーマル三間飛車」を投入、大方の予想通り
戦型は「対抗形」となりました。。
23手目▲6六銀。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: なし
△久保九段: なし
戦型が決まると、久保九段は
左の銀を足早に6筋の戦場に繰り出すと(22手目△6四銀)
永瀬二冠も呼応し、右の銀を同じく6筋の戦場へと繰り出し
囲いよりも先に、盤上には「銀対抗」形が描き出されます。。
すると、上図から次に
久保九段が飛車を4筋に寄せたのをみて。。
(24手目△4二飛)
25手目▲9八香。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: なし
△久保九段: なし
永瀬二冠は9筋の香車を一段上げて
振り飛車の天敵、「穴熊」を明示しました。。
33手目▲8八銀。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: なし
△久保九段: なし
作戦を明示した先手に対して
久保九段は4筋の歩を突き出し(28手目△3五歩)
飛車先を決めつつ角道を通し、先手に圧力を掛けてから
振り飛車の相棒である「美濃囲い」を完成させました。。
一方、永瀬二冠は
飛車を争点の4筋に合わせると(29手目▲4八飛)
玉を「穴熊」に納め、銀のハッチを閉めました。。
41手目▲7八金寄。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: なし
△久保九段: なし
互いに自陣の駒組みを念入りに進め
永瀬二冠は角をも取り込んだ強固な「穴熊」を完成。。
その間に、金を連結させて「本美濃囲い」を築いてから
飛車を3筋に振り直した久保九段は(40手目△3四飛)
上図から、次に。。
42手目△3六歩。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: なし
△久保九段: なし
3筋の歩を突き合わせ
飛車先から仕掛けを開始しました。。
永瀬二冠はここも争点に飛車を合わせて(43手目▲3八飛)
以下、△3五飛~▲3六歩~△2五飛~▲2八歩~△2六飛~
▲5九角~△3七歩~▲同桂~△3六飛~▲3九歩をみて
△4六歩~▲4五桂に、下図56手目△3八飛成と進行。。
56手目△3八飛成。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: なし
△広瀬八段: 飛、歩
飛車を標的として、重心低く受けながら
後手からの攻めを呼び込む永瀬二冠に対して
久保九段は上図で飛車交換を敢行すると。。
65手目▲4一飛。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: 歩
△久保九段: 歩3
手にした飛車を先に盤上へと打ち込み
久保九段は機敏に、龍の拠点を作りました。。
一方、永瀬二冠も
上図の局面で、手持ちの飛車を敵陣に投入。。
最初の仕掛けから一気呵成に、いざ開戦へ。。
69手目▲7五銀。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: なし
△久保九段: 歩4
後手に先行を許した形となった
永瀬二冠が「穴熊」の堅さを頼りに、銀をぶつけた
上図の局面で、夜戦に備えて夕食休憩に突入します。。
現局面では、振り飛車良さ気。
根気強く、負けない将棋が持ち味の永瀬二冠が
果たして、どのような構想を持って切り返すのか。。
夕食休憩明けからの攻防は、必見であります。。
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