第45期棋王戦5番勝負/第2局「超新星・本田五段、輝き放つ番勝負初勝利」 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

第45期棋王戦5番勝負/第2局「超新星・本田五段、輝き放つ番勝負初勝利」

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8連覇を目指す渡辺明棋王に

22歳の超新星・本田奎五段が挑戦する

第45期棋王戦5番勝負。

 

開幕戦を渡辺棋王が制して迎えた注目の第2局が

本日、栃木県宇都宮市「宇都宮グランドホテル」にて

運命の幕を開きました。。

 

 

棋王戦/第2局・柔らかいプレビュー

 

 

第2局の先手は、本田五段。

連敗スタートは何としても避けたい本局の

初手は飛車先を突く▲2六歩から。。

 

 

 

2手目△8四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲本田五段: なし

△渡辺棋王: なし

 

対します、渡辺棋王も2手目に同じく

飛車先を突く△8四歩と返し、対局はスタート。。

 

 

 

4手目△8五歩。

 

上図での持ち駒

 

▲本田五段: なし

△渡辺棋王: なし

 

互いに居飛車を明示する出だしから

次、、両者は息を合わせて飛車先を決め

戦型は「相掛かり」となりました。。

 

 

 

9手目▲5八玉。

 

上図での持ち駒

 

▲本田五段: なし

△渡辺棋王: なし

 

互いに角頭を金で受け、飛車の横に銀を立てる

おなじみの同形模様の進行から、本田五段は玉を立て

「相掛かり」では定番の「中住まい」に構えました。

 

この手に、渡辺棋王も追随。。

同じく玉を立て、「相中住まい」とすると(10手目△5ニ玉)

次に、本田五段が角道を開けたのをみて。。

(11手目▲7六歩)

 

 

 

12手目△8六歩。

 

上図での持ち駒

 

▲本田五段: なし

△渡辺棋王: なし

 

渡辺棋王はよどみなく

先に自らの飛車先で歩を突き合わせました。。

 

 

 

15手目▲2四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲本田五段: 歩

△渡辺棋王: 歩

 

以下、▲同歩~△同飛の進行で歩交換が成立。。

すると、本田五段は突進してきた後手の飛車先を受けずに

返す刀で自らの飛車先2筋の歩を突き合わせました。。

 

 

 

22手目△3四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲本田五段: 歩

△渡辺棋王: 歩

 

互いに飛車先で歩を交換すると

角頭をケアし、浮き飛車に構えた本田五段に対して

元居た場所へと飛車を深く引き下げた、渡辺棋王は

上図でおもむろに、角道を開きます。。

 

この手をみて

本田五段は3筋の歩を突き(23手目▲3六歩)

銀、桂の活用を目指すと、渡辺棋王はノータイムで

6筋の歩を突き、銀の中央での活用を目指しました。

 

すると、次の瞬間

 

 

 

25手目▲2四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲本田五段: なし

△渡辺棋王: 歩

 

後手玉のコビンが開いた隙を逃さず(24手目△6四歩)

すかさず2筋に歩を投入し、飛車先から突っかけます。。

 

 

 

28手目△8八角成。

 

上図での持ち駒

 

▲本田五段: 歩

△渡辺棋王: 角、歩2

 

しかし、これも予想通りの進行か。。

渡辺棋王は2筋で再び歩交換が成立した直後に

ノータイムで角交換を敢行し、模様を動かします。。

 

 

 

34手目△2三歩。

 

上図での持ち駒

 

▲本田五段: 角、歩

△渡辺棋王: 角、歩

 

角交換が成立すると

局面は落ち着き、両者は自陣の駒組みへ。。

先手が飛車を引き下げたのをみて(33手目▲2九飛)

渡辺棋王は2筋のキズを消しました。。

 

この手をみて

本田五段は3分の少考で、4筋の歩を突き

銀の活用を目指しますが(35手目▲4六歩)。。

 

次の瞬間

 

 

 

36手目△3五歩。

 

上図での持ち駒

 

▲本田五段: 角、歩

△渡辺棋王: 角、歩

 

先ほどのお返しとばかりに

渡辺棋王は先手玉のコビンが開いたところで

3筋の歩を突き合わせ、仕掛けを開始しました。。

 

本田五段はすぐに▲4七銀(37手目)と受け、以下

△3六歩~▲同銀~△7四歩~▲4八金~△7三桂~

▲7七銀~△8一飛~▲9六歩をみて、下図46手目

△7ニ金と、粛々と進行。。

 

 

 

46手目△7ニ金。

 

上図での持ち駒

 

▲本田五段: 角、歩2

△渡辺棋王: 角、歩2

 

しかし、3筋で歩交換が成立すると

両者は自陣に手を戻し、じっくりとした駒組みが進行。

渡辺棋王は端歩を受けずに「金開き」に構えました。。

 

 

 

52手目△4四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲本田五段: 角、歩2

△渡辺棋王: 角、歩2

 

午前の対局は上図52手まで進行。

「右玉」に構え直した渡辺棋王が、怪しげに

4筋の歩をタダの地点に突き出した局面で

昼食休憩突入に突入します。。

 

【 お昼のメニュー 】

 

両者ともに「中華ランチセット」

 

午後の対局開始となっても

本田五段は手を止めたまま、長考を続けます。。

 

 

 

53手目▲6六角。

 

上図での持ち駒

 

▲本田五段: 歩2

△渡辺棋王: 角、歩2

 

午前と合わせて1時間18分の大長考の末に

本田五段は後手の注文を受けて立つ格好で

4筋に浮いた歩目掛けて、手持ちの角を投入。。

堂々と形を決めました。。

 

 

 

60手目△6三金。

 

上図での持ち駒

 

▲本田五段: 歩2

△渡辺棋王: 角、歩

 

この手に、渡辺棋王は22分の考慮で

すかさず先手の角頭を叩き(54手目△6五歩)

移動を勧告しつつ、手番と6筋の位を確保すると

玉頭に駒を積み上げ、手厚く構えました。。

 

その間に

玉を7筋に寄せて安全を確保した

本田五段は、上図から次に。。

 

 

 

61手目▲4五歩。

 

上図での持ち駒

 

▲本田五段: 歩2

△渡辺棋王: 角、歩

 

ほんの3分の少考で、駒音高く

4筋で歩をぶつけ、仕掛けに入ります。。

 

すると。。

 

 

 

71手目▲4五銀。

 

上図での持ち駒

 

▲本田五段: 歩2

△渡辺棋王: 歩3

 

先手の飛車・角の大駒がスルスルと躍動。。

後手の大駒を押さえ込みながら、敵将が居を構える

6筋を厳しく睨みつけ、攻防の主導権を握りました。。

 

が、しかし。。

 

 

 

82手目△4八飛成。

 

上図での持ち駒

 

▲本田五段: 角、桂、香、歩2

△渡辺棋王: 金、銀2、桂、歩5

 

形勢がガッチリ掴んだかに思われた本田五段は

絶対王者の圧力の前にして、一本調子では手が伸びず。。

先手がもたつく間に渡辺棋王は金を素抜いて飛車を成り込み

無風だった盤上にはにわかに、緊張感が立ち込めます。。

 

それでも。。

 

【 投了図・97手目▲3四角 】

 

 

投了図での持ち駒

 

▲本田五段: 香、歩2

△渡辺棋王: 飛、銀2、桂、歩4

 

超新星は形勢を手放すことなく

最後は渾身の寄せで後手玉を打ち取り

上図で渡辺棋王は無念の投了を告げました。

 

棋王戦/第2局の棋譜中継はこちら

 

終局時刻は午後5時40分。

絶対王者を見事構想でねじ伏せた本田五段が

その実力の一端をみせつけ、見事な初勝利を飾り

対戦成績を1勝1敗の振り出しに戻しました。。

 

 

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第1回 「あれから5年後の現在地」

 

 

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火曜日(18日)に

 

羽生九段と藤井七段の対局が実現。。

 

 

 

羽生九段今期成績一覧

 

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