さすがの終盤。。第91期棋聖戦・二次予選/2回戦「北浜八段-藤井七段を振り返ろう」
今回は昨日行なわれました
神童・藤井理太七段の対局の模様を
ご紹介させていただきます。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲北浜八段: なし
△藤井七段: なし
舞台は第91期棋聖戦の二次予選/2回戦
関西将棋会館にて、北浜健介八段と対戦しました。
本局の先手は、北浜八段。
その初手でいきなり中央5筋の歩を突いて
振り飛車投入を示唆します。。
対します、生粋の居飛車党
藤井七段は2手目に△8四歩と飛車先を突き
こちらは居飛車を明示して、対局はスタート。。
5手目▲5六歩。
上図での持ち駒
▲北浜八段: なし
△藤井七段: なし
続く3手目に、角道を開いた北浜八段は
上図で飛車を5筋へと振り、「中飛車」を投入。
戦型は「対抗形」となりました。。
14手目△5四歩。
上図での持ち駒
▲北浜八段: なし
△藤井七段: なし
飛車のポジションが決まったところで
両者は居玉を解除し、玉の囲いを目指しますが
藤井七段は上図の局面で、先手が位を張った5筋で
機敏に歩を突き合せる趣向をみせます。。
北浜八段は▲5七銀(15手目)と返して、以下
△5五歩~▲6六銀~△5三銀左~▲5五銀に△5四歩~
▲6六銀~△6四歩~▲7七角~△5ニ金右~▲2八玉~
△8五歩をみて、下図27手目▲3八銀と進行。。
27手目▲3八銀。
上図での持ち駒
▲北浜八段: 歩
△藤井七段: なし
藤井七段が洗練された指し回しで
先手が主張した5筋の位を消し、局面をおさめると
北浜八段は無理せず、自陣の整備へと取り掛かり
上図で振り飛車の相棒「美濃囲い」を完成しました。
35手目▲4六銀。
上図での持ち駒
▲北浜八段: 歩
△藤井七段: なし
一方、居角を通して駒組みを進める藤井七段が
角のラインに銀を乗せたのをみて(34手目△4四銀)
北浜八段も一端5筋に下げた銀をすかさず繰り上げ
4筋に「銀対抗」形が描き出されます。。
49手目▲2五歩。
上図での持ち駒
▲北浜八段: なし
△藤井七段: なし
駒組みの飽和点も近づく中
飛車を左右に振り、揺さぶりをかける藤井七段に対し
囲いを「銀冠」へと組み替えた北浜八段は、上図の局面で
玉を構える2筋の歩を突き、位を取りました。。
すると、次の瞬間
50手目△7五歩。
上図での持ち駒
▲北浜八段: なし
△藤井七段: なし
藤井七段は7筋の歩を突き合わせ
先手の角頭を標的に、ここで仕掛けを決断しました。。
62手目△8四飛。
上図での持ち駒
▲北浜八段: 歩
△藤井七段: 歩2
先手を打たれた形となった
北浜八段はすぐに活用の見込めない角を
2筋へと旋回し角度を変えますが、その間に
藤井七段は金と飛車を滑らかに8筋へと移動。。
もう8筋は受からないと
北浜八段が次に、5筋の歩を突き出したのをみて。。
(63手目▲5五歩)
64手目△8七金。
上図での持ち駒
▲北浜八段: 歩
△藤井七段: 歩2
藤井七段はケレン味なく
拠点の8筋で金を前に出し、飛車先を狙います。。
北浜八段は金交換には応じず(65手目▲6八金)、以下
△8八金~▲5四歩~△8九金~▲5九飛~△5ニ歩~
▲5三歩成~△同歩~▲5四歩~△同歩に▲8五歩~
△同飛をみて▲5四飛~下図78手目△8八飛成と進行。。
78手目△8八飛成。
上図での持ち駒
▲北浜八段: 歩
△藤井七段: 桂、歩4
北浜八段は受けには回らず攻め合いを指向。。
飛車を合わせた5筋からの強行突破を狙いますが
しかし、一足お先に藤井飛車が敵陣へと到達。。
この飛車成がヒモのついていない金に当り
北浜八段はここで手番を握れず、苦しい展開に。。
(79手目▲6九金)
92手目△5四桂。
上図での持ち駒
▲北浜八段: 歩
△藤井七段: 歩4
藤井七段は先手の金を標的としながら攻勢を強め
上図で攻守に支配した5筋へ桂馬を投入し、淡々と
仕上げの準備に取り掛かります。。
これで銀の助からない北浜八段は、次に
1筋の歩を突き合わせ、端の攻防に全てを託しますが。。
【 投了図・130手目△1六銀 】
投了図での持ち駒
▲北浜八段: 桂2、香、歩
△藤井七段: 銀、香、歩7
最終盤戦も藤井七段が攻守に圧倒。。
必死に食らいつく北浜八段につけ入る隙を与えず
上図の局面で、見事勝利を飾りました。。