第4期叡王戦7番勝負/第4局「高見叡王、覚悟の踏み込みも形勢不明の終盤戦へ」
初防衛を目指す高見泰地叡王に
次世代のオンリーワン・永瀬拓矢七段が挑戦する
第4期叡王戦7番勝負。
ここまで3局を消化し、永瀬七段の3連勝。
初のタイトル奪取へ王手をかけて迎えた大一番/第4局が
本日、広島県廿日市「みやじまの宿 岩惣」にて開幕。。
第4局の先手は、高見叡王。
カド番に立たされもう後のない本局の初手は
角道を開く▲7六歩から。。
2手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲高見叡王: なし
△永瀬七段: なし
対します、永瀬七段も2手目に同じく
角道を開く△3四歩と返して、対局はスタート。。
6手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲高見叡王: なし
△永瀬七段: なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決め
いざ「横歩取り」を目指す、序盤の出だしとなりました。。
14手目△8六飛。
上図での持ち駒
▲高見叡王: 歩2
△永瀬七段: 歩2
そのまま定跡手順の進行となり
互いに角頭を金で受け、飛車先で歩を交換して
迎えた上図から次に、高見叡王は。。
15手目▲3四飛。
上図での持ち駒
▲高見叡王: 歩3
△永瀬七段: 歩2
2筋の浮き飛車でお隣り3筋の歩をかすめとり
大一番の戦型は「横歩取り」に決定しました。。
「横歩取り」に誘導した形の永瀬七段が、次に
3筋に回った先手の飛車先を角で受けると。。
(16手目△3三角)
17手目▲3六飛。
上図での持ち駒
▲高見叡王: 歩3
△永瀬七段: 歩2
代えて▲5八玉など、飛車を引かずに突っ張る
「青野流」が最近の先手の主流ですが、本局の高見叡王は
決めていた作戦とばかりに、ノータイムで飛車を引きました。。
この手をみて、永瀬七段も。。
18手目△8四飛。
上図での持ち駒
▲高見叡王: 歩3
△永瀬七段: 歩2
同じくノータイムで
飛車を引き下げ「△8四飛」型に構えました。。
28手目△7一玉。
上図での持ち駒
▲高見叡王: 歩2
△永瀬七段: 歩2
本局は少し前の流行形となり
互いに自陣の右側に「美濃囲い」を完成。。
高見叡王が浮き飛車を
元居た場所に戻したのをみて(27手目▲2八飛)
永瀬七段は「美濃囲い」の中へ玉を納めました。。
32手目△4四角。
上図での持ち駒
▲高見叡王: 歩2
△永瀬七段: 歩2
星の上でも圧倒し、絶好調の永瀬七段は
後手番の本局でも積極的な指し回しを披露。。
飛車を3筋に合わせてから、直接向い合う角を
挑発的に4筋の戦場へと迫り出しました。。
高見叡王は11分の考慮で、▲同角(33手目)と応じて
以下、△同飛に▲5六角~△2四飛~▲同飛~△同銀~
▲4一飛~▲5一飛~▲同飛成~△同金をみて
下図43手目▲2ニ歩と進行。。
43手目△5一飛。
上図での持ち駒
▲高見叡王: 飛、歩
△永瀬七段: 飛、角、歩2
角交換成立直後
高見叡王は手にしたばかりの角を戦場に再投入すると
飛車交換を挟みながら敵陣へ、駒音高く攻め込みます。。
46手目△4ニ角。
上図での持ち駒
▲高見叡王: 歩
△永瀬七段: 飛、歩3
永瀬七段が叩きの歩を払うと(44手目△2ニ同金)
高見叡王は再び敵陣に飛車を投入(45手目▲3一飛)。
永瀬七段が角を受け駒に使って、飛車の移動を促すと。。
47手目▲3四飛成。
上図での持ち駒
▲高見叡王: 歩
△永瀬七段: 飛、歩3
高見叡王は角と共に拠点となる龍を作りました。。
53手目▲9五歩。
上図での持ち駒
▲高見叡王: 歩
△永瀬七段: 飛、歩3
龍を8筋合わせ高見叡王は
9筋の端歩を伸ばし、ジワジワとポイントを稼ぎます。。
その間に、「美濃囲い」をリフォームした(54手目△6一金)
永瀬七段は上図から次に。。
54手目△8三歩。
上図での持ち駒
▲高見叡王: 歩
△永瀬七段: 飛、歩2
龍の鼻先に歩を突き立て
握った手番で先手の拠点を消しに掛かります。。
以下、▲3四龍~△3三銀~▲2五龍に△2四飛~
▲同龍~△同銀(60手目)の進行で飛車交換が成立。。
再び飛車が盤上から姿を消しますが。。
61手目▲4一飛。
上図での持ち駒
▲高見叡王: 歩
△永瀬七段: 飛、歩2
負けられない本局への意気込みを投影するように
高見叡王は直後にまたしても、敵陣へ飛車を投入。。
一心不乱に食らいつき、後手陣をかき乱します。。
75手目▲3四歩。
上図での持ち駒
▲高見叡王: 角
△永瀬七段: 飛、金、歩2
飛車をおとりに馬を作った高見叡王の
渾身の踏み込みはいつ果てるともなく続き
上図から次に、受けに回った永瀬七段が
馬に歩を突き立てると(76手目△2ニ歩)。。
76手目△3三馬。
上図での持ち駒
▲高見叡王: 角、銀
△永瀬七段: 飛、金、歩
1分の少考で、迷いなく
銀との指し違いで馬を切り、勝負に出ました。。
82手目△8ニ玉。
上図での持ち駒
▲高見叡王: 銀、歩
△永瀬七段: 飛、角、歩
逸る叡王をいなすように
永瀬七段が玉を「美濃囲い」に入城させた
上図の局面で、夜戦に備えて夕食休憩に突入。。
高見叡王の熱き闘志が胸に迫りますが、しかし
形勢は難解にして不明のまま、クライマックスへ向います。。
□□□
決戦の舞台は広島