第4期叡王戦・本戦/準々決勝「渡辺棋王ー斎藤王座は角換わり相腰掛銀」
いよいよ本日より新年の取組がスタートした将棋界。
初日にいきなり実現しましたタイトルホルダー同士の一戦
注目の「渡辺明棋王-斎藤慎太郎王座」は、振り駒の結果
先手は渡辺棋王となりました。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王: なし
△斎藤王座: なし
渡辺棋王の初手は飛車先を突く▲2六歩から。
対します、斎藤王座も2手目に同じく飛車先を突く
△8四歩と返して、対局はスタートとなりました。。
6手目△3ニ金。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王: なし
△斎藤王座: なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決めると
渡辺棋王が角道を開けたのをみて(5手目▲7六歩)
斎藤王座は追随せず、角道を閉じたまま△3ニ金と返し
手番を先手に渡しました。。
この手に対し、渡辺棋王は。。
7手目▲7七角。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王: なし
△斎藤王座: なし
角を7七の地点に上げて、8筋を受けつつ
「角換わり」での勝負を指向します。。
9手目▲6八銀。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王: なし
△斎藤王座: なし
次に、斎藤王座が角道を開けたのをみて
渡辺棋王は銀を6筋に上げ、後手からの角交換
あるいは角交換拒否に備えると。。
10手目△7七角成。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王: なし
△斎藤王座: 角
斎藤王座はズバリと角交換を敢行。
手損のない「ノーマル角換わり」となりました。。
20手目△4ニ玉。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王: 角
△斎藤王座: 角
角交換成立後
渡辺棋王は居玉のまま、銀を自陣4筋へと繰り上げ
「ノーマル角換わり」の常套手段「腰掛銀」を目指します。
一方の斎藤王座は、7筋の歩を突いて
「棒銀」、あるいは「早繰り銀」投入を示唆しながら
上図で先に居玉を解除しました。。
29手目▲4八金。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王: 角
△斎藤王座: 角
斎藤王座は7筋に銀ではなく桂馬を跳ねると
銀は6筋に上げて先手と同じく「腰掛銀」模様に。。
しかし、両者は銀の態度を決める前に
自陣の駒組みを進め、渡辺棋王は上図の局面で
最新形の「▲6八玉+4八金+2九飛」型を完成します。。
この手をみて、斎藤王座も。。
30手目△6ニ金。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王: 角
△斎藤王座: 角
右の金をヒョイッと立てて、先手と対称を成す
「△4ニ玉+6ニ金+8一飛」型を完成しました。。
38手目△9四歩。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王: 角
△斎藤王座: 角
自陣の駒が組みあがると
両者は息を合わせて銀を中央5筋に繰り出し
戦型は「角換わり相腰掛銀」に決定。。
さらに両サイドの端歩を突き合い
同形模様の進行で迎えた、上図から次に。。
39手目▲4五桂。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王: 角
△斎藤王座: 角
右の桂馬を戦場へと跳ね上げ
このタイミングで先に仕掛けを開始しました。。
41手目▲6六角。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王: なし
△斎藤王座: 角
斎藤王座が当たりとなった銀を4筋に引くと(40手目△4ニ銀)
渡辺棋王は手持ちの角を6筋の戦場に投入し、追撃します。。
斎藤王座は「角には角」で対抗し(42手目△4四角)、以下
▲3五歩~△同歩~▲1五歩~△同歩~▲2四歩~△同歩に
▲1五香~△同香をみて、下図51手目▲2四飛と進行。。
51手目▲2四飛。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王: 歩2
△斎藤王座: 香、歩3
渡辺棋王はセオリー通りに
歩のつき捨てを連発しながら重心を前に掛けます。。
斎藤王座は突進してきた先手の飛車を低く受けますが。。
(52手目△2ニ歩)
59手目▲1三歩。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王: 銀
△斎藤王座: 桂、香、歩2
渡辺棋王は攻勢の手を緩めず
敵陣3筋を歩で叩き、銀・桂交換を成立させてから
1筋に嫌らしく味をつけました。。
しかし、ここで手番の斎藤王座は
すかさず角交換を敢行すると(60手目△6六角)。。
64手目△1七角。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王: 角、銀、歩
△斎藤王座: 桂、香、歩3
先手の飛車の当てる形で桂馬を1筋に跳ね
歩を払いつつ手番を稼ぐと、手にしたばかりの角を
広々とした1筋に放り込み、さらに飛車に狙いをつけます。。
後手が反撃に転じて上図の局面で
夜戦に備えて夕食休憩突入となりました。。
形勢はまだ互角の範囲内と思われますが。。
果たして、将棋界屈指の終盤力を誇る両雄による
夕食休憩明けからのねじり合いが実に楽しみであります。。
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囲碁界でもビッグニュースが。。