強豪続々。。第12回朝日杯・二次予選「三浦九段-木村九段を振り返ろう」
本日は、第44期棋王戦・本戦/決勝をはじめ
「久保利明王将-山崎隆之八段」の関西対決に
対男性棋士4連勝の懸る里見香奈女流四冠登場と
注目の対局が目白押し。。
今回はその中から
二次予選がスタートした朝日杯で実現した好カード
「三浦弘行九段-木村一基九段」の模様を振り返ります。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲三浦九段: なし
△木村九段: なし
先手は三浦九段。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。
対します、木村九段も2手目に同じく飛車先を突く
△8四歩と返し、対局はスタート。。
5手目▲7八金。
上図での持ち駒
▲三浦九段: なし
△木村九段: なし
続く3手目に、三浦九段が角道を開くと
木村九段は追随せず、△3ニ金(4手目)と返し
手番を先手に渡しました。。
この手をみて、三浦九段も角に金を連結し
手番を再び後手に渡すと。。
6手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲三浦九段: なし
△木村九段: なし
代えて△3四歩なら「横歩取り」も有力でしたが
木村八段は飛車先を決め。「角換わり」を指向しました。。
9手目▲6八銀。
上図での持ち駒
▲三浦九段: なし
△木村九段: なし
そのまま定跡手順の進行となり
迎えた上図の局面で、三浦九段は銀を6筋に上げ
後手からの角交換、角交換拒否に備えます。。
すると。。
10手目△4四歩。
上図での持ち駒
▲三浦九段: なし
△木村九段: なし
木村九段は1分の少考の後
スッと4筋の歩を突き、角交換を拒否しました。。
17手目▲5六銀。
上図での持ち駒
▲三浦九段: なし
△木村九段: なし
三浦九段は角交換も想定の範囲内と
居玉のまま、銀を5筋の戦場へと繰り出し
足早に「腰掛銀」に形を決めると。。
21手目▲4五歩。
上図での持ち駒
▲三浦九段: なし
△木村九段: なし
飛車先を決めてから
4筋の歩を突き合わせ、仕掛けを開始しました。。
しかし。。
24手目△7七角成。
上図での持ち駒
▲三浦九段: 歩
△木村九段: 角、歩
以下、△同歩~▲同銀の進行で
先手の銀が4筋に繰り出した、次の瞬間
木村九段は間髪入れずに角交換を敢行。。
先手の出鼻を挫き
浮き足立った盤上の気配を落ち着かせます。。
40手目△8ニ飛。
上図での持ち駒
▲三浦九段: 角
△木村九段: 角、歩
角交換成立後
両者は自陣の駒組みを粛々と進行させ
「矢倉」を目指す三浦九段に対して、木村九段は
4筋に振った飛車を上図で元居た8筋に戻しました。。
47手目▲4五桂。
上図での持ち駒
▲三浦九段: 角
△木村九段: 角、歩
駒組みの目処がつくと
三浦九段は4筋に張った銀を5筋に引いてから
代わりに桂馬を跳躍させて、再び攻勢に転じます。。
50手目△3七角。
上図での持ち駒
▲三浦九段: 角
△木村九段: 歩
後手が当たりとなった銀を2筋に引くと(48手目△2ニ銀)
三浦九段はすかさず、3筋の歩を突き合わせ追撃しますが
木村九段は先手陣の隙を見逃すことなく、機敏に角を投入。。
反撃の狼煙を上げました。。
三浦九段は飛車を引き下げ(51手目▲2九飛)
以下、△4六角成~▲2四歩~△3五馬~▲2三歩成~△同銀~
▲1五歩~△同歩~▲3三歩~△同桂~▲同桂成~△同金~▲4五桂~
△3ニ金をみて、下図65手目▲3三角と進行。。
65手目▲3三角。
上図での持ち駒
▲三浦九段: なし
△木村九段: 桂、歩6
狙い通りに起点の馬を作った後手に対して
三浦九段は構うことなく、アクセルを強く踏み込み
一気呵成に勝負に出ました。。
92手目△4ニ飛成。
上図での持ち駒
▲三浦九段: 金、香
△木村九段: 桂2、香、歩6
先手の激しい攻めの前に
木村八段は防戦一方となりますが、しかし
受けが自慢の勝負師は逆に目が冴えたとばかりに
龍を玉の傍らに寄せ、徹底抗戦の構えをみせますが。。
111手目▲7一角。
上図での持ち駒
▲三浦九段: 銀
△木村九段: 角、銀、桂2、歩8
手練手管の指し回しで急所を凌ぐ後手に対し
三浦九段の熱き闘志と集中力は途切れることなく
次第に後手玉の包囲網を狭めていくと。。
【 投了図・129手目▲6四銀 】
投了図での持ち駒
▲三浦九段: 桂、香
△木村九段: 飛、角、銀、桂2、歩8
最後は玉の上部脱出を果たした
木村九段でしたが、上図でついに力尽き
無念の投了を告げました。。
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